Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

上原、制球に苦労しつつも14試合連続無失点中【→15試合】

今年のAL東は、だれも予想し得なかった展開になりつつあります。

トップを突っ走り、独走態勢を築こうかというブルージェイズ

先発陣、野手陣と長期にわたるケガ人が相次ぎ、ついに負け越し15に達してしまったレイズ。

10連敗-7連勝ー5連敗と、ジェットコースターのような日々が続き、負け越し5付近から抜けられないレッドソックス

マーくんという強力なピースを手にしながら5割を維持するのに汲々としているNYY。

そんななか、ある意味予想どおりのシーズンを送っているのはオリオールズだけかも(笑)。

まさにシーズン前の、多くの記者の予想を上下逆にしたような形なんですけど。特にジェイズに関しては、「去年、だれもが優勝予想をしていたときと、基本的には同じメンバーだ」と指摘していた人がたしかひとりかふたりいただけで、あとはみんな最下位予想だったもんな~。いかに情報がたくさんあろうと、細かい数字があろうと、人間の予想の限界なんてこんなものだなと、あらためて目の当たりにしています。

やっぱり、やってみなくちゃわからないのよ!(笑)

そんなこんなで、じつは、6月に入ってまたそれなりに野球を見られるようになってから、まだ上原がリアルタイムで投げるところを見ていません。最後の登板が6月4日。インディアンス戦の延長10回、11回に2イニングを無安打無失点(1四球)に抑えながらも、その後チームがサヨナラ負け(ムヒカが3ランを被弾)した試合です。そこからまた連敗モードに突入しちゃって、登板機会がないんですよね。

そこで少しさかのぼってみると、6月1日は、レイズ戦の勝ち試合、4-0の9回に登板して三者凡退。5月30日には2-2同点の9回に登板。やはり三者凡退で、10回ウラのサヨナラ勝ちにつなげています。その前日、5月29日には、ブレーブス戦で8回ウラに3-3同点に追いついた直後に登板。1安打をゆるしたものの無失点。そのウラにサヨナラ勝ちして、勝ち投手に(1勝)。さらにその前、5月27日のブレーブス戦、6-3リードの9回に登場し、無安打無失点2三振で11セーブめ(動画)。なんとこれが、いわゆる「セーブ機会」としては最も最近なんですよね~。サヨナラ勝ちや4点差の勝利がはさまったとはいえ、10日間、セーブ機会がないんだなあ。

しかし、そんなむずかしいチーム状況のなか、なかなか制球が思いどおりにいかないという悩みをかかえながらも、5月1日のレイズ戦で勝ち越しHRを喫して以来、14試合無失点というのはさすが。絶好調だった昨年でも、5月、6月にはそれぞれ3失点しています。汗っかきなため暑さに弱いと思われがちな上原ですが、じつは夏場に調子があがる夏男。4月の肩の故障を乗り越えて、これからが楽しみです。

ひと月も前の記事になってしまいますが、5月7日のレッズ戦、4-3の9回に登板し、3者三振で8セーブめを挙げたとき、ESPNに記事が出ていましたので、一部をご紹介しておきます。この日のハイライトはこちら。本人ブログはこちら。

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At times, Uehara looking like mere mortal(上原も人間だなと思うとき)

May, 8, 2014 By Gordon Edes

レッズの打者を10球で3者三振に切って取り、チームの4ー3の勝利に貢献しても、上原は納得していなかった。

「まだ思いどおりのフォームで投げられてません。スプリットの制球もまずい」

開幕からのひと月あまりは、上原にとって楽な日々ではなかった。8度のセーブ機会ですべてセーブを挙げているものの、4月には肩の張りで数日間休養し、復帰後もかなりの球数を要する登板が重なった。たとえば5月4日のアスレチックス戦では、3アウトとるのに27球を要しているし、その前の1週間には2度HRを浴びている(トロントバティスタ、レイズのエスコバル)。エスコバルに打たれたのは勝ち越しHRで、上原に今季初の負けがついた。

絶好調とは言えないが、それでも8度のセーブをすべて成功させている上原。

5月6日、同点の9回に登板した際にもあわやという打球を打たれたが、ボールはフェンスぎりぎりでシェーン・ビクトリーノのグラブにおさまった。

しかしその翌日、5月7日に8セーブめをあげた上原を見て、ファレル監督は胸をなでおろしたようだ。

「きのうよりはるかにキレがよかった。過去2、3登板は、腕が横振りになってボールのキレが今ひとつだったし、全体的な制球もよくなかった。今日はまっすぐ打者に向かっていくコウジらしい投球だったよ」

体調は問題ない。ケガをしていたら投げない、と上原は言う。だがフォームには納得しておらず、腕がまっすぐ振れていないことを認めている。その理由は?

「疲労の蓄積でしょうね。もう若くないから」

昨年の登板数が多かったのも一因かもしれない。レギュラーシーズンで74回1/3、ポストシーズンの緊張のなかで13回2/3。2013年、レンジャーズ時代に記録した36回の倍以上にのぼる。10月末まで投げ続けたから、休養期間も短かった。

レッドソックスのチェリントンGMは、そのあたりの不安も考慮して、オフにクローザー経験のあるエドワード・ムヒカを獲得している。 (訳注:しかしムヒカはここまで防御率6.65と期待外れ。)

上原は、遠投とキャッチボールで肩のスタミナをつけているところだと言い、ファレル監督も、上原は完全に回復したと語るが、まだ注視が必要だ。

Fangraphs.comによれば、今季、上原のファストボールの球速は87.7マイルで、これは昨年の89.2マイルから1.5マイルほど落ちている。スプリッターも79.4マイルで、昨年の81マイルより遅い。(訳注:ソースはこちらかと思われます。 下がっているというか、昨年がすごく速かったんですね。)

(このあと、三振率は下がり、四球率は上がり……と続きますが、めんどくさいので(笑)興味がある人はfangraphsをどうぞ。)

もっとも、上原の「問題」は、ふつうなら問題視すらされないかもしれない。問題はむしろ2013年にハードルがあがりすぎたことなのだろう。上原自身もそう考えているようだ。自分の望むところに到達するまで、あとどれくらいかかるかとたずねられると、上原はこう答えた。

「1シーズンですね」

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はは、上原さんに怒られそうな記事だな(^^;;

でも結びにも「ほんとは問題じゃないのかもしれない」とあるように、球数が多いだの、三振が少ないだの、いろいろあるなかでもクローザーとして(数少ない)セーブ機会ですべてセーブをあげ、そればかりか同点の場面でもビハインドでも投げて、しっかり無失点に抑え続けているのだからすごいです。クローザーというのはえてして、点差があきすぎたり、同点だったりすると、本来のピッチングができなかったりしますが、アップダウンの大きいチーム状態のなかでも、日々反省を繰り返しながら淡々と投げ続けているのは、やはりストイックさのたまものでしょう。

昨年とはまた違う意味で、がんばってほしい1年です。9日(月)からは、また悩ましきオリオールズvsBOS3連戦。上原さんの登板を見たくもあり、見たくなくもあり。ていうか、出ない展開に持ちこまないと、オリオールズ的にはまずいのですが(^^;; まあ、あまり考えすぎずに、頭を空っぽにして(いや、いつも空っぽか?)楽しみたいと思います。

【追記】

6/8 対タイガース戦で9回を三者凡退。じつに11日ぶりのセーブ(12個め)をあげました。無失点試合は15試合にのばしています。

この試合、6回にBOSが2-2に追いつくも、7回にタイガースがすぐさま3-2とリード、そのまま9回に突入したのですが、タイガースにとってはどれだけ補強してもやっぱりクローザーがネックなんですね。今季はネイサンをとって、しばらくはいい投球をしていたのですが、このところ非常に不安定。昨日も、タイガースが勝ちはしたものの、最終回にネイサンが4安打2失点という状態だったため、今日はチェンバレンが9回のマウンドに立ちました。しかし、急造クローザーが1点差を守るのは容易なことではありません。ランナーをふたりだすと、オルティーズに絵に描いたような逆転3ランが飛びだして5-3。

そのウラ、上原が11日ぶりにセーブのつく場面でマウンドに立ちました。

1 ハンターを2ボールからいい当たりのセンターフライに。

2 カステリャーノスをするどい当たりのサードゴロに。ザンダー・ボガーツがダイビングの好守。

3 オースティン・ジャクソンにこれまた火の出るようなサードライナー。ボガーツ、ありがとさん。

しめて13球。やや結果オーライなところもありましたが、クローザーは、結果がすべてです(キッパリ)。

さー、これでカムデンヤーズに乗りこんでくるわけですね(^_^;; ま、まあ、連敗チームを迎えるのもそれはそれでいやなものなので、お互いにいろいろ忘れて、さっぱりした気持ちで戦いませう。