Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's、BOS戦は2勝1敗。

3戦合計で失点1。もしかしてうちの先発投手陣って、有能?と勘ちがいしそうになる対ボストン3連戦でした。それでもスイープはならず2戦めは0-1で負けて、きっちり上原の出番も見られるというおいしい展開に(すみません)。いつもながら心穏やかでないボストン戦を振り返ります。

6/9(月)オリオールズ4-BOS0 ○ 勝:ノリス 負:ピービ

試合前の話題はもっぱら、前日にバット投げで退場したマニー・マチャドでした。

一夜明けて、まず試合前にマチャドは、MASNのインタビューでオリオールズ、アスレチックス両球団および、選手とファンに謝罪。バックスイングがヘルメットに当たったのに謝らなかったノリスに対しては、特に名前を挙げて謝りました。ノリスとは代理人が共通だそうで、謝罪を受けいれてくれたようですが、第1戦で、サードのプレーをめぐってもめたドナルドソンは、信頼を築くのには時間がかかるけれど失うのはたやすい、と、すぐには受けいれない姿勢。それもそうですよね。マチャドは、ここからまた長い時間をかけて、自分という選手を築きあげていかなくてはなりません。

でも、ショウォルター監督がじっくり話をしたようですし、選手オンリーのミーティングで、ジョーンズやオデイら、リーダー的存在の選手たちがつぎつぎと言葉をかけたそう。マチャド自身、昔の強い時代のオリオールズから引き継がれてきた「オリオール・ウェイ」という言葉も口にしていましたし、あとは信頼して見まもろうと思います。思えば、上原浩治松坂大輔もプロ2年めに、いろいろ苦しい思いをした時期がありました。そのときも今回のマチャドもなのですが、世間の思いがけないほど強烈な反応を見て、はじめて自分が背負っているものの大きさに思い至るということはあるのだと思います。マチャドも、りっぱに乗り越えていけるだけの器は持っているのだから、これを機に一回りも二回りも大きくなってもらいたいです。

なお、出場停止5試合という処分が通告されましたが、MLBに提訴中なので、最終判断がくだるまでは出場可能。期間が少しでも短くれば、ということに加えて、出場停止選手の穴は補充できないので、ブルペン陣をひとり降格させて野手を昇格させる可能性があり、球団として準備期間をかせぎたいという思惑もあるようです。

試合は、ピービの立ち上がりをたたいて、アダム・ジョーンズが初回に10号ソロ。5回にはニック・マーケイキスの6号ツーラン。この2年間、マーケイキスはもろもろ故障に泣かされましたが、今年はとにかくヒットを打たない試合がほとんどないんじゃないかというくらいの安定感。目立たないんですけどねー。あんなに押し出しの強い顔でこれほど地味な人も珍しいです(笑)。7回にはライアン・フラーティも1発。投げてはバド・ノリスが8回98球、無失点。なにそのすばらしいピッチング。ていうか、いつもいやらしくボールを選び、ファウルで粘ってくるBOS打線のイメージからすると、全体的になんかあっさりしていたような。これは3連戦通してずっと感じました。

6/10(火)オリオールズ0-BOS1 ● 負:ティルマン 勝:ワークマン S:上原(13)

ティルマンが6回7安打1失点と粘りのピッチングをしたのですが、ワークマンに抑えられ、そのあとミラー、田澤、上原と必勝リレーでつながれて、0封されました。もっともティルマンも毎回のようにランナーを出していたので、よく1点で抑えたなというのが正直なところ。ケヴィン・ゴーズマンが2戦つづけていいピッチングをしているので、ティルマンもヒメネスもちょっとがんばらないとね……。もっともふたりとも立ち上がりが悪いタイプだし、なんやかんやローテの1、2番手という位置づけなので、ブルペンという選択肢もなさそうですけど。

0-1と最少得点差で迎えた9回は、先頭バッター、代打のスティーブ・ピアスが上原の初球をいきなりレフト前ヒット。

ピアスは職人肌というか、ベンチプレーヤーの鑑で、どんなに出場機会が限られていても文句ひとつ言わずに、もくもくと相手投手のビデオを見て研究し、バッティング練習を重ねて、出ればかならず結果を出すというシーズンを送っています。この日のヒットで打率は.314。4月にはロスターの関係でいったんDFAされたりもしましたが、そのあと協約のこまかい規定により、いったんリリースしてから再契約という複雑な道をたどって今もオリオールズで活躍しています。貴重な戦力です。

で、このあとライアン・フラーティが送りバントを試みますが、上原がこれを落ち着いてさばいて二塁にドンピシャの送球!(動画)。みごとフォースアウトをとりました。もう、このプレーでほとんど決まったといってもいいくらい。捕手のピアジンスキーは一塁を指示していたそうですが、上原が自分で行けると判断しての二塁送球。日本人投手の守備をなめたらあかんぜよ。このあとマーケイキス、マチャドを三振に切って取って、13セーブめ。16試合連続無失点です。上原の登板については、上原エントリでもう少しくわしく書こうと思います。

6/11(水)オリオールズ6-BOS0 ○ 勝:チェン 負:デラロサ

チェンが、7回4安打無四球7三振、無失点のすばらしいピッチング。ファストボールの球速がたびたび95マイルに届き、変化球もキレ、コントロールともに抜群でした(動画)7回表終了時に雨が激しくなり、1時間半ちかく中断したので惜しくも87球で降板になりましたが、そうでなければ8回までは投げていたでしょう。ただし9回は、どんな展開でもブリトンが投げると決まっていたそうです。

じつは6/1のアストロズ戦、5回1/3、1失点で交代を命じられたとき、めずらしく、くやしさもあらわに帽子とグラブをベンチにたたきつける場面がありました(ちなみにこの日は勝って6勝め)。ショウォルター監督が「チェンは負けず嫌いだ」とコメントするのはたびたび聞いていましたが、実際にそんな場面を目にしたことがなかったので、ちょっとびっくり。このあとの2登板ではいずれも6回以上なげてクオリティ・スタートを達成しています。制球もよく、今季13登板、76.2イニングで四球は11。過去8登板では1個以上出していません。三振は57個奪っていて、K/BBは5.18。チェンがこの調子を維持してくれたら、すごく大きいんですけどね。

打つほうではピービの立ち上がりに、この日はスタメンだった職人ピアスが四球で出塁。すかさずジョーンズがタイムリ二塁打、2アウト後クリス・デイヴィスが10号2ランで一挙3点をうばうという攻撃でした。デイヴィスは、試合前の早出特打で、ボールの下ではなく上をたたくよう、タイミングの修正をはかったとのこと。その成果が出た形です。このあとハンドレーのタイムリーや、相手リリーバー、カプアーノの2連続押し出しなどもあって6-0と勝利。不振のBOSとはいえ、勝ち越せたのはとても大きいです。

さて、BOS戦のあとさらに同地区対決が続き、今日からは4.5ゲーム差で首位に立つトロントと4連戦。

初戦は、ケヴィン・ゴーズマンの快投でオリオールズが勝利をおさめました。

6/12(木)オリオールズ4-TOR2 ○ 勝:ゴーズマン 負:バーリー S:ブリトン(6)

前回の対決では完全に抑え込まれたバーリーから初回にデルモン・ヤングの2ランで2点を先制。ヤングはバーリーに対して通算で46打数18安打、.391、4HR、8打点と相性がよかったために、ショウォルター監督が起用。それがずばりと当たりました。っていうか、対戦成績ってほんとに物を言うのね~。得手不得手というのはたしかにあるのがおもしろいです。

さらに3回にはマチャドが久々のヒットとなる二塁打。スコープが送って、ケイレブ・ジョセフが1-2から三遊間を抜くタイムリー、と下位打線でしぶとく得点。その後ジェイズにもタイムリーが出ますが、8回のマーケイキスの二塁打による追加点が大きかったです。

さて、ケヴィン・ゴーズマンです。前回のアスレチックス戦につづき、またも地区首位を走る強力打線相手の好投。今日は6回101球、5安打3四球1失点でした(動画)。こういうゴーズマンが見たいとずっと思っていたような、ここ2登板の投げっぷり。今年からメガネをかけたのもわたし的には○。童顔なので、メガネによってなんというか、ちょっとオタク坊やみたいになって(笑)なんかいいです。

DL入りしているミゲル・ゴンザレスが、マイナーで順調に実戦登板を終え、つぎは上で投げる予定。一時期、だれひとりQSできないかに思われた先発陣が、ここへきて急に人数多すぎに見えるとは……(錯覚)。6人で回すことはしないと監督は言っていますが、どうするのか。ヒメネスもティルマンも、安閑とはしていられないはずです。

その他の話題を。

◎ディラン・バンディ、フロリダでの練習試合を終え、マイナーでの実戦へ。

昨年6月27日にTJ手術を受けたディラン・バンディ。ちょうど1年がたつ前に、フロリダでのリハビリと練習試合を終え、1Aアバディーン・アイロンバーズに籍を置いて、3~4試合投げることになりました。現在、痛みはまったくなく、スピードも90~92マイルぐらいまでは戻っているとのこと。といっても「スピードはあとからついてくるから気にしていない」と本人は語っていて、当面は、ファストボールの制球や、カーブ、チェンジアップのキレをさらにみがきたいそう(MASN)。来季、ゴーズマンとともにフルに活躍する姿を見たいです。

マット・ウィーターズは、月曜日にアンドルース医師と面談。

先週あたりからキャッチボールをはじめているウィーターズですが、まだ痛みが出る日もあり、本人が願うほど順調に回復してはいないという報道が。予定では7月1日をめどに今後の方針を決めるということでしたが、少し早めの週明けに一度診察を受けることにしたようです。まだ何が決まったわけでもないのですが、ショウォルター監督は、「マットが火曜日に帰ってきてくれればいいがね」とも漏らしていて、手術という可能性もやはり否定はできないような……(-_-) 今、ケイレブ・ジョセフが代役としてすごくがんばっているし、3Aに行ったクレベンジャーも打率3割7分ぐらい打っているのですが、やっぱりウィーターズがメインにすわっていてほしい。万が一手術ということになったら、ディスカウントで契約延長とかしてくれないかなあ、ボラスさん(そんなに甘くないか)。

ヨハン・サンタナが残したもの

前回のエントリでも記したように、ヨハン・サンタナは実戦開始直前にアキレス腱断裂という悲劇に見舞われ、少なくとも今シーズンはもう投げることができなくなってしまいました。しかしフロリダでの練習試合やシートバッティングで、若手にこれ以上ないお手本になっていたと1Aアバディーンの監督、マット・マルーロが語っています(MASN)。完全な試合形式ではないシートバッティングでも、あたかもランナーがいるようにセットポジションに入り、一塁ランナーをうかがうそぶりまで見せながら、頭の中でゲームを組み立ててピッチングをしていたと。それを見て、監督の指摘も受けた”相手方”の若手投手は、急に球速がアップしたそうです。またサンタナの投球を受けた捕手も、打者をよく観察することや、弱点を見抜くポイントを教わったそう。さらにほかの若手たちにも「自分はトッププロスペクトなんて呼ばれたことはなかった。それでも、きちんとするべきことをしていけば、地味な選手がスターになることもできる」と話したそうです。

そんな話を聞けば聞くほど、ケガでメジャー昇格がついえたのが残念でなりません。

さあ、TOR戦の初戦をとったオリオールズですが、今季は、初戦をとりながらあとが続かないことが往々にしてあります。ヤンキースもいやらしく勝ち続けていますし、ここで粘らないと置いてけぼりになっちゃいます。

がんばろう、バーズ!