Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

上原:球宴~7/27

先日の日曜日(7/27)から始まったテレビ東京〈ネオスポ〉の上原浩治、月一インタビューがなかなか面白かったです。

インタビュアーが、ボストン在住のライター、カルロス山崎さん。

そう、東スポで『中継ぎピッチャーズバイブル』を連載している方。ていねいに掘り下げた、読み応えのある記事を書く方です。

たぶん、相手からもらった答えをさらに掘り下げて聞き返すのが上手なんでしょうね。このテレ東インタビューでも(山崎氏本人が表に出ることはありませんでしたが)、へえ?という話を引き出してくれてました。マーくんがヒジの治療をしながらチームに帯同している、という話で、いい環境でリハビリできるのはうらやましい、と。「ぼくのとき(2009年、オリオールズの1年めにヒジを故障したとき)は、担当者もだれもつくことなく、フロリダに飛ばされて。昼間40度ぐらいあるようなところでトレーニングしてましたけど。その施設も冷房がきかず、トイレもウジ虫がわくようなきったないところで、風呂のシャワーもお湯が出ないようなところでしたし」

そ、そんなにひどかったの?! たしかリハビリはサラソタで行われたはず――当時のエントリを掘り起こしてみました――うん、やっぱりサラソタですね。2009年当時、スプリングトレーニングは、同じフロリダのフォート・ローダーデイルというところで行われていたので、サラソタのマイナーリーグ施設は、手を入れられることもなく放置されていたんでしょうね。しかしその後、2010年途中にバック・ショウォルターが監督に就任すると、翌年からキャンプ地もサラソタに変更。それにともなって施設も全面的に改装され、美しく生まれかわったのでした。ある意味、上原は、オリオールズ冬の時代の最後の時期を肌で味わったとも言えるのかもしれません。冬といっても気温は40度だったわけだけど(^_^;;

(なんてことをつらつら書いているうちに、なんと来週のNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で上原さんを取り上げるという情報が。おお、これですね。「最強のクローザー、不屈の雑草魂」。カルロス山崎よりおもしろい話を引き出してくれるでしょうか?) 

さて、前回の上原エントリはオールスター前日でして、まだ当日のことは書いていませんでしたのでさらっと記しておきます。

7/15 アリーグ5-ナリーグ3

上原は、6回表2死三塁の場面で、カズミアのあとをついでリリーフ登板。デヴィン・メソラコと対戦し、4球で三振にしとめました。

本人も「1人で十分」と言ってましたが、初球のファストボールといい、最後のスプリットといい、上原らしさのすべてつまった4球で、わたしも十分満足でした。

そのあと、ベンチに帰る捕手のノリスの肩をうしろからポンポンとたたいて呼び止め、ハイタッチ。そのままベンチに帰ってまた端から端までハイタッチしてまわり、最後に反対側から出てきて、もどってくる選手を出迎えるという念の入れよう。何よりもこれが一番やりたかったんじゃないかなと思って、笑ってしまいました。

ところが、なんと、ジーター祭りだった現地の中継ではこのハイファイブはまったく放映されてなかったんですね。というか、投げてるあいだもずっとキャプテンのインタビューだったのかな(^_^;; ということで、MLBTVのハイライトと、日本で放送された映像の両方にリンクを貼っておきます。そしてこちらが試合後のインタビュー。

球宴には家族だけでなく、球団にお願いして内窪トレーナーも同行させてもらったようですね(東スポ)。 HR競争に参加する選手のバッティングピッチャーなんかもそうですが、そうやってふだんお世話になっている裏方さんを晴れ舞台に連れ出すというのも、すばらしいことだなと思います。

さて、オールスター後、上原は4試合に登板してます。

7/18 vs ロイヤルズ 5-4 S:上原(19)

9回に登板、1安打、無失点、1三振。ERA 1.61

7/19 vs ロイヤルズ 2-1 S:上原(20)

9回に登板、無安打無失点、1三振。ERA 1.58

そう、球宴後、BOSはロイヤルズに3連勝。さらにつぎのブルージェイズ戦初戦にも勝って、4連勝。いよいよ後半巻き返すか……と思われましたが、翌日からまた5連敗。上原の出番もなくなってしまいます。つぎの登板はなんと1週間後、負け試合での調整登板でした。

7/26 vs レイズ 0-3

上原、3点リードされた8回裏に登板。先頭、ガイヤーはレフトフライ。ふたりめのエスコバルにセンター前ヒットをゆるすものの、つぎのモリーナを三振に。キアマイヤーはサードフライに打ち取りました。間があいたのでこわごわ投げていたとのこと。翌日、セーブのつく場面で投げることになりましたから、結果的にはよい調整登板になりました。

7/27 vsレイズ 3-2 S:上原(21)

1点リードの9回ウラに登板。先頭のエスコバルに昨日につづいてヒット。苦手のようです。

しかし、つづくショーン・ロドリゲス、カサーリ、キアマイヤーは、それぞれ空振り、見逃し、空振りで3者連続三振。圧巻の投球でした。

とくにカサーリを見のがし三振にとった4球めのスプリットは、その前のボールになった球とほとんど同じでしたが、わずかに高かった分、審判の手が上がったという感じ。みごとなコントロールでした。前半戦苦労した制球が、少しよみがえってきた? 夏男ですからね。昨年、連続アウト記録を作ったのも8月でしたし。Gaoの動画をリンクしておきます(日本国内のみ)。

さて、上原が調整登板していた7/26日、ついにローテーションの一画をになっていたジェイク・ピービが、SFジャイアンツへトレードされました。昨年ワールドシリーズチャンピオンに輝いたBOSが、今季は「売りモード」に突入した瞬間でした。

上原にとっては、フォームのお手本でもあったピービ。昨年夏のトレードで移籍してきて、丸1年間チームメートでいたあと、またお別れになりました。これもまたメジャーリーグ

ちなみにトレードのウワサには、上原の名前ももちろん何度も浮上しているのですが、今のところ、「キープ」が大方の見方のようです。いいクローザーは市場でもなかなか手に入らず、来年の建てなおしのためには必要なピースだから、とのこと。ただし、契約延長の話などはまだ出ていないようです。2011年に一度デッドラインのトレードを経験しただけに、本人は落ち着いたもので、そうなったらなったときのこと、とゆったりかまえているみたいですが、果たしてどうなるか。エース、レスターのトレードもささやかれるなか(こちらは契約延長交渉の不調が原因のよう)、しばらくのあいだレッドソックスまわりは、ざわざわすることになりそうです。