Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's:「ヤンキースはバロメーターだ」と2010年のショウォルターは言った

オールスター後の西海岸ツアーを6勝4敗で乗り切ったあとも、オリオールズは地道にカード勝ち越しを積み重ねています。

7/29-31 エンゼルス戦(ホーム)2勝1敗

8/1-3 マリナーズ戦(ホーム)2勝1敗

8/4 @ナショナルズ戦(6月の雨天延期の試合)○

8/5-7 @ブルージェイズ戦 2勝1敗

8/8-10 カージナルス戦 2勝1敗

西部地区チームとの対戦中は好投手に抑えられてロースコアの試合が多く、1点差以内の試合が8試合続くなんていう、オリオールズのイメージからかけはなれた(?)試合が多かったのですが、ここを投手陣のがんばりできりぬけたのが大きかった。

トロントを経てふたたびホームに帰ってから、カージナルス戦で打棒が爆発しました。

初戦は、カージナルスに移籍したばかりのマスターソンを相手に12-2。なんとマチャド、ハーディ×2、ジョーンズ、デイヴィス、フラーティーと6本のHRが飛び出しました。これを大爆発と言わずして、なんと言おう。ハイライトはこちら。この日はまた、試合前と試合後にオリオールズ誕生60周年、というお祝いのセレモニーも盛大に行われたんですよね。正確に言うと、チームがボルチモアに移ってから60年。ボルチモアの前はセントルイスにいた、ということで、折しもセントルイス・カージナルスを迎えてど派手な花火をあげまくった1日でした。自分へのメモ用にセレモニーの映像もリンクしておきます。

そして2戦めはこれまたレッドソックスから移籍したおなじみのラッキーを打ち崩して10-3。じつは、3戦めではランス・リンに抑えられて負けてるので、カージナルスに勝ったという感じがあまりしないのも事実なのですが(^_^;;

この2戦めのハイライトはなんといっても2回に飛びだしたケイレブ・ジョセフの8号逆転ツーランでしょう。出場5試合連続HR。オリオールズのキャッチャーとしては最長記録になりました。トッププロスペクトだったマット・ウィーターズの陰にかくれて、マイナー暮らし7年を余儀なくされたジョセフが、まさかそのウィーターズもなし得ていない記録を樹立するとは! しかも27歳なのに30台後半ぐらいに見える苦労人ぽさがいいんですよね~。毎年”Unlikely Heroes”~意外性の男たちとでも訳しましょうか~が活躍するショウォルター・オリオールズの中にあっても、今季一番のヒットであり、心温まるストーリーでもあるジョセフの活躍です。5本のHRをまとめた映像にリンクを貼っておきます。ずっとビジターで、5本めだけカムデンヤーズだったんだ。大観衆の中での逆転弾。地味なジョセフですが、思わず小さなガッツポーズをし、試合後に「ぼくとしてはあれが精一杯の喜びの表現」と言っていました(^o^)

さて、このあとに続いたのがヤンキース戦でした。6ゲーム差で迎えた対戦ではありましたが、上に立つチームにとって、ゲーム差というのは下から見るほど大きく見えないのが不思議なところ。少しでも追撃のきっかけを与えたくないところでした。

8/11 オリオールズ11-NYY3 ○

8/12 雨天中止

8/13 オリオールズ5-NYY3 ○

暗雲垂れ込める展開だった初戦を逆転で制したのが何よりも大きかったです。

ランダウンプレーのミスでランナー2人を生還させるなど、エラー3つで1-3と先行される展開。しかも3回にはマニー・マチャドがゴロを打ったとき右膝をひねってその場に倒れ込むアクシデント。だれの頭にも昨年の悪夢がよぎったにちがいありません。

その暗雲を吹き払ってくれたのが、5回に飛びだしたクリス・デイヴィスの21号逆転ツーランでした。思わず「デイヴィス、ありがとう!」と口走ったほど。このあとクルーズやスコープにもHRが飛びだしてけっきょく大勝になりましたが、ターニングポイントはやっぱりデイヴィスだった。これできっかけをつかんでくれるといいんですけどね(ってもう10回は言ってる(笑))。

2戦めは雨天中止。

3戦めは、初戦につづいて逆転勝ち。ピネダ→セルベリベタンセスの継投に抑えられていましたが、ベタンセスもさすがに3イニングめはきつかったか。……ってか、ピネダは病み上がりだから5回交代は仕方ないとしても、6回にひとりはさんで、7、8回ベタンセスのほうが、オリオールズはいやだったんじゃないかな。【追記:×セルベリ→○ベタンセス 盛大に4箇所とも間違っていました。すみません。コメント欄でご指摘いただきました。ありがとうございます。全部取り消し線だと見にくくなるので、あとは削除して直しましたm(_ _ )m】

そんなわけで、ベタンセスが3イニングめにさしかかった8回、ヤンキースキラーのジョナサン・スコープが、初戦に続いて11号同点弾!。これでスコープは、ヤンキース戦の打率が.379 になりました。しかもマーくんから2HRを打っているのを含め、ヤンキース戦で4本め。かたき役としてでもいいから日本のメジャーファンの記憶に、しっかりその名をきざみつけてほしいです。去年のWBCでこのスコープくんを生で見たのがちょっと自慢(笑)。(関連記事にリンクを貼っておきます)

そしてこのあとランナー一、二塁からアダム・ジョーンズの勝ち越し3ラン! 試合後には恒例のパイ投げも。まだあどけないスコープくんが、なんともかわいいです。

これで対NYY戦はここまで8勝3敗。あと8試合も残しているのでいささかも気を抜くことはできませんが、かつてヤンキースレッドソックスの名前をきくだけでちぢこまっていたころのことを思うと、臆することなく戦えるようになったなという実感はあります。

ちょうど4年前、2010年8月に就任したとき、ショウォルター監督は「ヤンキースはわれわれのバロメーターだ」と言いました。(このときのエントリも下の関連記事にリンクを貼っておきます。)今はどうだろう。ヤンキースが good team であるという認識はもちろん今も持ち続けているけど、1チームだけをことさらに意識することはないような気がします。それが大連勝もなければ大連敗もない、きわめてコンスタントな戦いぶりにつながっているのではないでしょうか。

◎ショウォルター監督、今季の合い言葉は”I like my guys.”

試合中めったに表情を崩さず、厳しいと見られがちなショウォルター監督ですが、選手からも地元メディアからもたいへん愛されています。

もちろん、それだけの成績を残しているからなんだけど、もうひとつは監督自身が愛情豊かだから。”I like my guys.”が口癖で、チームのTシャツにもなりました。7月のマリナーズ戦(7/27)で、延長の末3-2で勝ったときには “Is there such a thing as man crush on your team?” なんて名セリフも。”man crush”というのは、「男が男に惚れる」ということ。「自分のチームに惚れるなんてことがあるんだね」っていうようなニュアンス(動画)。うふふ(^ ^)

◎マニー・マチャドが15日間DLに。

上でも書いたように、ヤンキース戦の初戦で右膝をねんざしました。昨年「内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)」を断裂し、手術したのは左なんですよね。そちらの再発ではなかったということ、断裂ではなくねんざであったことなど、当初だれもが恐れたよりも軽かったのは幸い。松葉杖なども使わずに歩きまわっているようです。

ただ、左を故障したときも、その2年ほど前にやはり走塁中に一度ひねってDL入りしているんですよね。基本的に関節がゆるいのか?

炎症と痛みをとるのが先決ではありますが、周囲の筋肉を鍛えてさらに強化することも必要に思えます。

なお、入れ替わりにコード・フェルプスが昇格。ロンバルドージなどもいますが、フェルプスは、多くのポジションを守れるところが評価されたようです。

◎JJハーディーが左手親指痛。

スライディングで傷めたもよう。きき手ではなく、グラブを使う手で、捕球の際に支障があるとのこと。3試合ほど欠場しましたが、雨天中止と、元来の休日がはさまったので、週末の遠征からは出場の見込み。

◎ディラン・バンディがDLに。

幸いというべきか、手術したひじの痛みではなく、広背筋痛とのこと。マチャドもそうですが、手術をすると別のところに負担がかかるということはあるのかもしれません。マイナーリーグはそもそもあと2週間ぐらいで終了なので、今季はもう投げないような気がします。来季、完全に健康体でスプリングトレーニングに参加してほしいです。待ってるよ。

◎ジム・ジョンソン、タイガースに。

ジョンソンについては、オリオールズも再獲得の意志があり、マイナー契約を提示したようですが、その際フランクに「上にはロスターの空きがなく、9月のロスター拡大まで待ってもらう」と伝えたとのこと。タイガースのほうがブルペンの必要度が高く、マイナー契約ながらまもなく昇格の見込みだとか。3Aで2試合無失点登板をし、本人が望んでもう1試合下で投げてから上がるそうです。

So it sounds very much like Jim Johnson is going to be in #Tigers bullpen as soon as he says he's ready.— Jason Beck (@beckjason) 2014, 8月 14

なおヤンキースからリリースされたB・ロバーツについては、獲得の意志はないとのこと。

さて、今日からオリオールズは、インディアンズ、ホワイトソックスカブスと9連戦をこなします。

シカゴに1週間滞在なんて、超めずらしいスケジュール(^_^;;

負け越しているチームとの対戦が続いて楽なスケジュールなんていう見方があるようですが(NHKでそういう趣旨のことを言ってた【追記】自分のメモを見たらJ-Spoで仁志さんがおっしゃってたんでした。すいません。)前にも言ったとおり、ここまでオリオールズは、むしろ勝ち越しているチーム相手のほうがいい成績をあげているのです。特にインディアンス戦は、春先の4連戦でようやく2-2のスプリットに持ちこんだ相手。苦戦の印象が強いです。カブスは未対戦だけど、覚醒した和田とアリエッタがいるし(笑)。じぇんじぇん気を抜けません。(あたりまえだ。)

去年のレッドソックスに関しては、上原だけを応援してればよかったのである意味気が楽だったけど、やっぱりチームを応援するのはエネルギーがいるのだ。

また仕事が立て込んできたので、自分で望むほど頻繁にブログを更新できない今日このごろなのですが、頭のなかにはオリオールズが常駐してます(笑)。十月までとことん応援するよ。がんばれ!

【8/17追記】

うー、懸念が的中してインディアンズ戦は8/15:1-2(延長11回)、8/16:0-6と連敗。連続カード勝ち越しは8で途切れ(9までいけばチーム記録に並ぶところだった)、6/28~6/29以来連敗なしの記録も途切れてしまいました(-_-) どういうわけか苦手な中部地区との対戦。できれば負け越さずに帰ってきてくださいまし(控えめ)。

前にも触れたかもしれないけど、オールスター直後に米ESPNなどで、後半戦のスケジュールのきつさを比較する記事があり、ダントツで一番きついのはオリオールズ、という判定が出ていました。しかしその一番きつい部分をむしろ大きく勝ち越してsurvive し、世間的に見れば少し楽なところに突入してからつまずくというね、もう(^_^;; ようするにそんな予測はなんの意味もないのでございます。

ちなみに一番スケジュールが楽、と判定されたのはアスレチックス。デッドラインで大補強も行い、ぶっちぎりで走るかと思われましたが、後半戦は14勝14敗。ここ7試合にかぎっては1勝6敗。ついにエンジェルスにならばれてしまいました。今のところは、セスペデス放出が得点力にやや響いているように見えます。

ただ、シーズンが残り少なくなってはきたものの、まだひと月以上あるんですよね。

オリオールズにしても、昨年までは追いかける立場で、最後のひと月半でありとあらゆることが起こりうるということは、いやというほど体験しています。2011年のレッドソックスをひきあいに出すまでもなく――。

だから、油断するでもなく、かといって昨年のように過度に自分たちを追いつめるでもなく、ほんとうに目の前の1試合ずつを正しく戦っていってほしい。

最近、選手たちも試合後のインタビューなどでよく “Oriole Way” というフレーズを口にするようになりました。基本に忠実に、正しい野球をすること。星勘定でもなく、スケジュールの深読みでもなく、これまでどおりにいい野球を続けていくこと。

そうすれば、きっと何かいいことが起こる。そう思って応援します。Go, O’s!

【8/18追記】

3戦めは快勝。ケヴィン・ゴーズマンがところどころピンチを背負いながらも終わってみたら6回2安打1失点のナイスピッチング。打線はずっとサラザールに抑えられていましたが、6回にハーディー、デイヴィスのタイムリーで逆転。そのあとピアス、スコープのHRで追加点。らしい勝ち方でした。よかった。

なお、ジム・ジョンソンがコールアップされてさっそく登板。しかし2/3回を2安打3失点。うまくいきませんね……。胸が痛みますよ。でも自分でなんとかするっきゃないんです。がんばれ、ジム・ジョンソン!