Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

マジック5 & ADHDを少しだけ学んでみた

きのう、わりと適当に「今季、メジャーリーガー1200人中、約1割の119人が使用を認められているそう。そんなにADHDだらけだとはとても思えませんけど」と書いてしまったので、自分でも気になって今もADHD関連の記事をちょこちょこ見ています。きのうの記事への補足として、中間報告をば――。

まず、一般的にADHDと診断される人がどのくらいいるのか。

こちらは10年ほど前の記事でちょっと古いのですが、アメリカの国立衛生研究所は、学齢の子どもの3-5%がADHDと推定している。しかし厳しい診断基準に照らしても7%前後はいるのではないか、という話。

米疾病予防管理センターの調べで、親の申告にもとづく4-17歳のADHD罹患率が9.5%という記事もあります。(→こちら) ただし「parent-reported cases amounting to 9.5 percent」というのが、正式に診断された件数なのか、「うちの子は落ち着きがないからきっとADHDだと思うんです」というのも含むのか、いまいちわかりません。あと、この記事で取りあげられている人がChris Davis というので、てっきりオリオールズのデイヴィスかと思ったら45歳って書いてあった(笑)。まぎらわしいって。

いっぽうこちらは日本のデータ。やはり3%前後というところでしょうか。

おそらく診察を受けたことがないまま、単に「ひどく落ち着きのない子(人)」で「とてつもなく忘れっぽい」と思われたままになっている人もいるでしょうから、潜在的にはもう少し多いんじゃないかという気はしますが。

こんなわけで、現時点で見ると確かな診断のついている人がだいたい3~5%、潜在的には7%ぐらいはいそうで、MLBの10%というのはいささか多いようにも見えるけど、不明な点が多すぎるので、ぜったいにおかしいとも言い切れないかなというところです。

2012年にThe Joint Drug Agreement (MLBと選手会による薬物規定)が採択されたとき、ADHDによるアデロール(アンフェタミン剤)の特例申請を審査するために、ADHDの専門医委員会が創設されたそうです(ソース:Ken Rosenthal)。つまり、地元の話をつけやすいお医者さんにいって適当に診断書を書いてもらうというわけにはいかないということ。

ADHDとつきあいながらメジャーでプレーを続けていることで有名なのが、レッドソックスのシェーン・ビクトリーノ。昨年出たこちらの記事によると、子どものころからADHDの特徴である「不注意、多動性、衝動性」が顕著で、毎朝起きたとたんにベッドで飛び跳ねて天井か床か、どちらかに激突するまでやめないとか、バットを振りまわして花びんをたたきこわすとか、8歳までに10回救命救急センターにかけこんで、のべ30針縫ったとか、すごい来歴がつづられています。

ときにフェンスに向かって飛びこんでいくようなむこうみずなプレーも、そういう生来の傾向に由来する部分があるようですが、長年の苦労(と、通院やらカウンセリングやら周囲の助けやら)のおかげで、自分をうまくコントロールできるようになったと、そういう話。

ケン・ローゼンタールによると、クリス・デイヴィスにもADHDの症状はあったとのこと。

Sources confirm that #Orioles’ Davis has ADD/ADHD. Circumstances of why he stopped receiving Therapeutic Use Exemption still unclear.— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2014, 9月 12

どうやらテキサスにいたころはAderallの特例を申請して許可を得ていたようなのですが、オリオールズに移籍してからの2012~今年までは申請していなかったもよう。一度却下されたため、という話なのですが、今のところ本人が取材依頼にいっさい答えていないようなので、真相は不明。

当然のことながらオリオールズの選手たちは、口々に「ショックだ」とコメントしていました。そうだよね……。

言葉を選びながらではあるものの、「故障の離脱もつらいけど、それとはまたちがう。故障は予測できないけど、こちらは一度検査で陽性が出たのなら、二度目の危険を犯すわけにはいかないとわかっていたはず。そう思うと、よけいにつらい(MASN)」という選手会長ダレン・オデイの言葉がすべてかなと。

なぜなんだよ、クリス、とだれもが思っていることでしょう。

そんななかきのうは、ダブルヘッダー2試合めにも5-0で勝ち、ジェイズも敗れたためマジックナンバーが5に減りました。しかし今朝は3-2で惜敗。ジェイズも勝利したのでマジックは5のままです。

きのうの2試合めはレギュラーを盛大に休ませて、マーケイキスもジョーンズもハーデイーもいなかったので、たいへん斬新なオーダーでした。

1デアザ(LF)2ピアス(一)3パレデス(三)4クルーズ(右)5ヤング(DH)6ロウ(中)7ジョセフ(捕)8フラーティ(遊)9スコープ(二)

まずバド・ノリスの7回3安打無失点が光るのですが、オリオールズに来てから8試合、すべてヒットを打っているというアレハンドロ・デアザのタイムリ三塁打2本もなかなかのもの。試合後のインタビューで「若返ったような気がするよ。20歳みたいに感じる(実際は30歳)。移籍してきた最初の日から、ずーっといたみたいに溶けこんでる。みんなよくしてくれて、すごくいいクラブハウスだよ」と、にっこにこで語っていました(^o^) 今日はノーヒットだったみたいだけれど、ウィーターズ、マチャドにつづいてデイヴィスまで失ってしまった今、スティーブ・ピアスやデルモン・ヤングはいうまでもなく、デアザやパレデスなど8月に加わった人たちの活躍が不可欠になりました。20歳の気持ちで、がんばってください。たのんます。

試合後のショウォルター監督のコメントを(どちらももっとうんと長いのですが一部だけ)。

1試合め「ショックがないといったら嘘になる。まだみんな、理解しようとつとめている最中だと思うよ。だが何度も言うように、今年は数多くの困難があって、それに立ちむかってきた。

(中略)野球も、ほかのスポーツもそうだが、自分がいなくなっても進んでいくんだよ。自分が監督だろうと、選手だろうとね。その現実をかみしめながら、最悪に思えるときでもいずれは過ぎ去るんだと思って、必死にやっていくしかない。そうすれば少しはいいこともある」

2試合め「(前夜からの24時間は大変でしたね?という問いに)もっと大変な一日を過ごしている人もたくさんいるよ。昨夜の8時から頭痛がしているのは事実だけどね」

最後に、アダム・ジョーンズから、クリス・デイヴィスへ。

「不幸なことだ。すばらしいやつでも間違いは犯すし、あいつも悔やんでると思う。でもチームとして、ぼくらはまだあいつを信頼してるし、戻ってくれば支えるつもりだ。まちがった判断だし、まちがった行動だったけど、応援しているから」

◎クリスチャン・ウォーカーはコールアップしない見込み

きのうのエントリでちらっと名前をあげた一塁手ですが、現時点ではコールアップしない見込みだとのこと。40人ロスターに入っておらず、まだルール5ドラフトにかかる年限に達していないので、来年もメジャーで確実にプレーするのならともかく、あわててロスターに加える必要はないという判断のよう。(ほかに40人に入れてプロテクトしなくてはならない選手もいるから、ということでしょう。)

なんかまた木曜日あたりにビッグゲームがありそうな気がしてきました。ビッグゲームはリアルタイムで見られないという得意技発動か?

でも、それでもいいの。早くみんなの喜ぶ姿が見たい。デイヴィスがいないのがつらいけど。ばかばかー!(>_<)

Go, Birds!