Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

オリオールズGG賞×3、アダム・ジョーンズ日米野球を辞退、トミー・ハンターが出場 【追記:フルメンバー】

来週に迫った日米野球ですが、なかなかMLBのほうの確定版ロスターが発表されません(^_^;; そんななか、きのうはアダム・ジョーンズが出場辞退という知らせが。うーん、やっぱりか。最初の発表のときから「とても光栄だけど、今はシーズンに集中する」とコメントしていて(まだ9月中でしたからね)何が何でも行く、という感じではなかったので、正直なところ、あまり驚かなかったのですが。

じつはジョーンズ、11月9日にボルチモアで、みずからの主催するチャリティー・イベントがあるんですよね。NFLレイブンズの試合前にスタジアムのそばで大々的にファストフードなどの販売を行って青少年の団体に寄付するというもの(→ #StayHungy Purple Tailgate)で、昨年が第1回、今年が第2回なんです。レイブンズとは、スーパーボウルで優勝した年に、ジョーンズがポストシーズンのすべての試合を見にいって、まるで勝利を呼び込むかのようにチームが勝ち進んで以来、なにかにつけて仲よし。このイベントは、昨年も同時期に開催していますし、ホームゲームのスケジュールに合わせるという都合などもあるでしょうから、まあしょうがないのかな。ジョーンズのプレーは楽しみにしていたので残念だけど、チャリティー、しっかり成功させてください。

んで、代わりにオリオールズからはトミー・ハンターが選出されました。スポーツ紙には「上原のトレード相手」と紹介されてましたけど、そのとおりです。2011年8月にクリス・デイヴィスとともにレンジャーズからトレード。今年はクローザーとしてスタートしましたが、うまくはまらずに5月にはザック・ブリトンに取って代わられました。でも7回、8回の持ち場に戻ってからは、落ちついて力を発揮し、今季は60試合に登板して防御率2.97(クローザーをはずれてからは防御率1.77)という数字を残しました。

この人です。

Pitcher @tHunter29 has been asked to participate in the "All-Star Series 2014" in Japan! http://t.co/wsHAThm5HV pic.twitter.com/s0fv5IqSt4— Orioles on MASN (@masnOrioles) 2014, 11月 6

こんな珍プレーも(笑)

Tommy Hunter was a liiiiittle too strong on this behind-the-back flip: http://t.co/vBSRlgX4kT http://t.co/cj9jd9U5cA— Cut4 (@Cut4) 2014, 9月 13

ハンターは、2週間ほど前にMLB選手会事務局から「日米野球に出ないか」と打診されて、「行きます」と即答したそう。本人のコメントをどうぞ。ソースはMASN。

「すごいチャンスだから楽しみだよ。女房といっしょに海外旅行もできるしね。とてもわくわくしている。日本は、野球がさかんなことで有名だ。ファンがおおぜいいて、すごく熱狂的なんだろう。応援がすごくにぎやからしいね。コルビー・ルイスから聞いたよ。あいつはしばらく日本でプレーしていたから。鳴り物を鳴らしてすごく派手に応援するみたいだね。なかでも東京ドームは有名なスタジアムらしい。そこにもいけるから楽しみだ」

ハンターは、レンジャーズ時代にルイスとチームメートでした。

この同じ記事によると、4月に投球が不安定だったころ、ドム・チティブルペンコーチとデイブ・ウォレス投手コーチのアドバイスもあって、4つの持ち球のうちカッターとチェンジアップを基本的に捨て、2シームファストボールのインコースアウトコースへの投げ分けと、カーブに集中したそう。「そこそこの球をいくつも投げるより、2つの持ち球を磨いたほうがいい。相手を惑わすために、ときどきほかの球も投げたけど」

ふむ、そうだったんだ。ファストボールは、調子のいいときには150キロ後半が出ると思いますが、オフシーズンなのでどうかな。わたしは東京ドームの1戦めと3戦めに行くので、できれば生で投球を見たいものです。

その他の話題を。

ゴールドグラブ賞にハーディ、ジョーンズ、マーケイキス選出

まず、全受賞者はこちら。(画像をクリックすると全部表示されます。)

The 2014 AL & NL #GoldGlove award winners. pic.twitter.com/ghGzM6kTtV— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) 2014, 11月 5

JJハーディーは3年連続の受賞。今年は腰痛などで出場できない時期もありましたが、やはり彼がショートにいるかいないかでは内野の安定感がかなり違ってきます。とくにマチャドのいない時期が長かったので、よけいにハーディの大切さを痛感した年でした。

アダム・ジョーンズは4度めの受賞。毎年、セイバー方面の人たちからなんだかんだ言われるのでとてもめんどくさいのですが(^_^;; 文句は選んだ人に言ってほしい。その選んだ人というのは、同リーグの相手チームの監督、コーチたち。それだけ毎年票を集めるというのは、まずなんといっても試合に出続けていること。(ジャッキー・ブラッドリー・Jr.を推す声も強かったですが、試合出場数がぜんぜん違うのと、8月半ばに3A落ちしたのが響いたようです。ロイヤルズのケインは、ライトとセンターで票が分かれましたかね。)そのうえで、ジョーンズに進塁や得点をはばまれた、という記憶が彼らの脳裏にくっきりと刻まれているということなのでしょう。

ニック・マーケイキスは3年ぶり2度めの受賞。どうしてもとってほしかったので、特にうれしいです。ア・リーグのライトでは出場試合数(147試合)、刺殺(295)、守備率(1.000:無失策)でトップ。捕殺(11)は2番め。マーケイキスは、過去4年間のうち3年で無失策を記録しています。すごくない?(それなのにマーケイキスの受賞を「意外」と表現した某MLB専門誌に、わたしはかなりむっとしています(-_-メ))

Cool, calm, collected. That’s the Nick Markakis way in right: http://t.co/UmChFBYmp6 #GoldGlove http://t.co/UsMBWqDXB5— MLB (@MLB) 2014, 11月 5

3人とも受賞コメントで守備コーチのボビー・ディカーソンとウェイン・カービーに感謝をささげていたのが印象的でした。ノックなどの守備練習だけでなく、試合中のポジショニングなど、チーム全体の取り組みもたしかに大きいでしょう。2009年にわたしが見始めたころのオリオールズは、目の前にぽとり、頭の上をヒューン、股下をスルリなんていうことだらけのチームだったんですから。それがほんの数年で、こんなに毎年GG賞をとれるチームになるなんて。うっうっ……(感涙)三人のまとめ動画はこちら。

あ、ちなみに、秋の表彰に関してひと言補足すると、ゴールドグラブ賞も、その他の賞(新人王、サイヤング、MVP等々)も、投票はすべてレギュラーシーズン直後に終了しています。「最終候補3名」というのが発表されていますが、あれは投票結果の上位3名を先に発表して盛りあげているだけで、その中からまた投票したりするわけではありません。「マーくん、新人王の最終候補入りならず」なんていう報道を見かけましたが、おそらく4位か5位には入っているのではないでしょうか。最終結果が発表されてから、全投票をじっくりを見るのもまたおもしろいです。

チェン・ウェインとダレン・オデイの2015年のチームオプションを行使。

少し時間が前後しますが、オリオールズワールドシリーズ終了直後の10月30日に、このふたりへのオプション行使を早々と発表しました。

チェン(29)は16勝、防御率3.54。来年は4.75MIL。これはたいへんなバーゲン価格で、2015年後にFAになったらとてもこんな価格では契約できないだろうな……(遠い目)

オデイ(32)は5勝2敗4S。68登板で防御率1.70。来季年俸は4.25MILでこちらもたいへんチームフレンドリーな契約です。

◎マーケイキス、ハンドレーのオプションは破棄。

ニック・マーケイキスってまだ30歳なんですね。メジャーデビューしてからオリオールズ一筋で9年。今季は.276/.342/.386 HR14 50打点。トップバッターでコンスタントに出塁し、GGを受賞した守備もあいまって、本当に頼れる存在です。ただ来季のオプション17.5MILはいかにも高額。これを破棄して、現在、4年契約に向けて話しあいが行われていると言われます。首尾よくまとまるといいのですが。ちなみにQO(クオリファイング・オファー)は、していません。オプション破棄の買い取り分が約2MIL、QOが15MIL超なので、マーケイキスにQOをして受諾されると、オプションを破棄した意味がなくなるからです。逆にいうと、QOをしなかったのは、かなりの確率で再契約が見込まれる状況なのだろうと思います。

もうひとりのニックこと、捕手のハンドレー(31)の5MILのオプションも破棄しましたが、こちらももう少し安い値段で再契約するつもりのようです。

◎ネルソン・クルーズ(34)にはQO。

昨年は、テキサスのQOを蹴り、オフの初期に提示された契約も蹴って、けっきょくオリオールズとの8MILの契約に落ちついたクルーズですが、今オフは4~5年契約を望んでいると言われます。しかし同時に「一番希望しているのはオリオールズとの再契約。チームも街もすべてが気に入っているし、なによりもポストシーズンに出られるチームでプレーしたい」と、再三口にしています。(それにしても、勝ちたいからオリオールズでやりたいって言われるようになったんだもんね……うるうる。)今オフにエージェントをカノーと同じジェイZに変更しているので、ある程度強気の契約を求める方針なんだろうと思いますが、オリオールズは34歳でケガ持ちのクルーズに3年以上提示するつもりはないとも言われているので、どうなるか。こちらはマーケイキスと比べると再契約の可能性はかなり低いように思います。

アンドルー・ミラーは今オフ1の人気者?

上原がレッドソックスと2年18MILという好条件ですんなり再契約したので(こちらのエントリも近々あげるつもりです)、若いアンドルー・ミラーの相場はかなり上がるのではないでしょうか。オリオールズにとっては、クルーズよりさらに高嶺の花になってしまったか。まあ、最初から折りこみずみなので仕方ないですが。

エヴァン・ミーク、FAに。

パイレーツ→レンジャーズ(2013年。メジャー出場なし)→オリオールズと渡り歩き、スプリングトレーニングから春先にかけて絶好調で開幕ロスターにも入ったミーク。ハンドレーとの入れ替え(だったかな)で3A落ちし、9月にまたメジャーに呼ばれました。

そしてある意味、今季の最も記憶に残る登板が、9月25日のヤンスタ最終戦、あのジーターに打たれたサヨナラ打だったという……。なんというか、魅入られたようにどまんなかに投げましたからねー(^_^;; でもそういう形で記録に名前が刻まれる選手もいるわけです。王に756号を打たれた鈴木康二朗とか。

で、そのミークをオリオールズは40人ロスターからはずして、3Aにアサインしましたが、ミークは受け入れを拒否してFAになりました。昨年は肩のケガもあってまったく投げられなかったようですが、今季は1年を通じて投げていましたから、メジャー契約かどうかはともかくとして、とってくれる球団はありそうです。

さあ、あと、賞関係ではショウォルター監督の最優秀監督賞がどうなるか、でしょうかね。来週火曜日(現地)に発表になるようです。94年、2004年にそれぞれニューヨークとテキサスで受賞しているので、今年受賞すればみごとに10年周期なのですが。賞がなくとも、わたしのなかではもちろんずっと最優秀監督ですけれど。でもやっぱりとってほしいな。

【追記】ショウォルター監督、みごと最優秀監督賞を受賞しました。こちらが、投票の詳細。ショウォルター135ポイント、ソーシア61ポイント、ヨースト41ポイントと、他を大きく引き離しての受賞でした。おめでとうございます! 受賞後のインタビューにもリンクを貼っておきます。

そしていっこうに最終ロスターが発表にならない日米野球はだいじょうぶなのか(^_^;; みんな待っているので、日本の野球と日本の文化をたっぷり味わってくれるといいなと思います。

【11/8追記】

深夜にようやくフルメンバーが発表されました。けっきょくハーパーも来ないという(^_^;; おそらく今までもこうして直前まですったもんだして決まっていたのでしょうが、ツイッターを初めとする情報網がこれだけ発達してしまうと、「最初言ってたのとぜんぜんちゃうやん」となってしまうのでしょうね。でも、今の時期に海をわたってくるのはなかなか大変なことですし、喜んできてくれる選手には感謝を。

投手陣ではエンゼルスのローテを支えて新人王候補にもなったマット・シューメーカーや、パイレーツのクローザー、マット・マランソンが追加されました。意外と、問題視されていた投手陣のほうが最後に充実した感があります。あと、監督、コーチ陣が充実してます(笑)。

プイグにはひとあばれしてもらって、あとはやはりアルトゥーベが楽しみ。日本の子どもたちにもすごく人気が出るんじゃないかな。

【監督】

 ジョン・ファレル(レッドソックス

【コーチ】

 テリー・フランコーナ(インディアンス)

 ブライアン・バターフィールド(レッドソックス

 ディマーロ・へイル(ブルージェイズ

 マイク・マダックス(レンジャーズ)

 フアン・ニエベスレッドソックス

 ▽投手

 ジェフ・ベリーヴォー(レイズ)

 ジェリー・ブレビンス(ナショナルズ

 クリス・カプアーノ(ヤンキース→FA)

 ランディ・チョート(カージナルス

 ジェレミー・ガスリー(ロイヤルズ)

 トミー・ハンター(オリオールズ

 岩隈久志マリナーズ

 マーク・マランソン(パイレーツ)

 フランクリン・モラレス(ロッキーズ→FA)

 ヘクター・サンティアゴエンゼルス

 マット・シューメーカー(エンゼルス

 ホセ・ベラス(アストロズ

 和田毅カブス

 ロブ・ウーテン(ブルワーズ)

 【捕手】

 ドルー・ビュテラ(ドジャース

 エリック・クラッツ(ロイヤルズ)

 サルバドール・ペレス(ロイヤルズ)

 【内野手

 ホセ・アルテューベ(アストロズ

 ロビンソン・カノ(マリナーズ

 アルシデス・エスコバル(ロイヤルズ)

 エヴァン・ロンゴリア(レイズ)

 ジャスティン・モーノー(ロッキーズ

 エドゥアルド・ヌネス(ツインズ)

 カルロス・サンタナ(インディアンス)

 【外野手】

 デクスター・ファウラー(アストロズ

 ヤシエル・プイグ(ドジャース

 【内野手/外野手】

 ルーカス・デューダ(メッツ)

 ベン・ゾブリスト(レイズ)

 クリス・カーターアストロズ