Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's:あとは打線待ち

いくらオープン戦の勝率は関係ないとはいえ、4勝11敗ってのはちょっとね……(^_^;; 今日、ひさびさに勝ったオリオールズです。(しかも16対4とか。もう少し均等に配分しようか?)

ただ、投手陣はみなそれぞれ仕事をしていて、今のところ心配なのはヒメちゃんとバド・ノリスぐらいなので、あとは打線待ちというところ。

そんななか、今日はアウェイのフィリーズ戦に「もっと打席に立ちたい」と志願して遠征したクリス・デイヴィスが、1HRを含む4打数3安打、4打点。スリーランは、コール・ハメルズから打ったものですし、13年の売りだった逆方向への当たりなので、いいきっかけになりそう。昨年は、脇腹を痛めて5月ごろDL入りしたデイヴィス。そのせいで、押しこむ力にかなり影響があったようです。

まあ、そのDLのおかげでスティーブ・ピアスがDFAから呼び戻されてHR20本と開花したのですから、悪いことばかりではなかったわけだけど。 今季後にFAになるデイヴィスは、このところ、「勝ちにいかないチームと長期契約するつもりはない」と発言したりして(今日は、オリオールズのことを言ったんじゃない、などと言い訳していましたが)、若干の物議を醸したりしていますが、昨年不調で、しかもAderallで出場停止になった身分なのですから、言葉でメディアを賑わせてる場合じゃない。やるっきゃないのよ。残念ながらボラス物件ということもあり、オリオールズで契約延長する可能性は薄いですが、ともかく、去年は本来の力じゃなかったといえるように、今年はがんばってほしいです。

あ、それから、昨年ADHD治療のための使用許可をとらずにAderallを服用して処分を受けたので、今年は使用許可をとったそう。Aderallではなく似たような成分のべつの薬のようですが。ソースはまたあとで探しておきます。

昨年、デイヴィスの穴を埋めて大活躍したスティーブ・ピアスは、今春も絶好調。今日もHRを放って、これがST3本め。じつは1昨年のスプリングトレーニングでも絶好調だったんですよね。でも、そこでがんばりすぎて手首を傷め、シーズンでは力を発揮できませんでした。そんなわけで、この人の場合、問題は体調だけ。これまではSTで成績を残さないとメジャーに残れなかったというのがありますが、今年はメジャー契約なのだから、少し抑え気味にしてシーズンで爆発してほしいです(と、ショウォルター監督も今日のコメントで言ってました。)

今日はたまたま早起きしたので――といっても、起きたときにはもう14対3とかで大量リードしてたんですが――2番手と4番手で登板したディラン・バンディとハンター・ハービーの、オリオールズ、トッププロスペクト・コンビのピッチングを見ることができました。

バンディは、2013年6月にTJ手術を受け、昨年夏まではリハビリ。その後実戦に復帰して、終盤に少しずつ球速が戻ってきたかなというところでした。今日はだいたい93とか94マイルぐらい。でも制球があまりにばらついて、とくに力を入れて投げたファストボールが完全に高く遠くはずれていました。試合後に2Aブーイにオプションされましたが、じつは2012年から40人ロスターに入っているので、オプションがあるのは今年までという恐ろしい事実が……。まだ21なので、手術で1年抜けても、キャリア全体で見たらそんなに大きな影響はないと思うのですが、MLBの場合は契約事項がいろいろきびしいので、DLでもオプション消費しちゃうんだ……とびっくりします。なんとか今年じゅうに制球の感覚をとりもどして、バンディらしい、力強さとまとまりをかねそなえた投球がもどってきますように。

ハンター・ハービー(19)は、ここまで5回ちょっと投げて無失点。ただ、今日は、バンディと同様、最初のふたりのバッターにはストライクが入らず。

おいおい……と思っていたら、3人めからは感覚を取り戻し、ノムさんがよく「原点投球」という、外角低めのすごく質のいいストライクを取り始めました。追いこんでから「ここで変化球投げたらすごい」と思いつつ見ていたら、ギューンとチェンジアップで空振り三振! しかも次の打者からはファストボールで空振り三振。首脳陣がぞっこん惚れ込む理由がよくわかりました。

バンディと同様、試合後に、こちらは3Aに配属になりましたが★、昨年終盤に前腕の張りで早めにシーズン終了になったこともあり、先手を打ってイニング管理をしていく、と、試合後、ショウォルター監督が語っていました。8月、9月にメジャーで貢献できるように、という含みもあるようです。故障しないようしっかりビルドアップして、近い将来メジャーで輝く姿を見せてほしいです。

【すみません。3Aに配属されたのは、同時にオプションされた一塁手のクリスチャン・ウォーカーでした。ハービーは「マイナーキャンプ」とだけ記されています。40人ロスターに載っていないから、記載方法も違うと思われ。ここらへん、今イチよくわかっていません。】

その他の話題を。

◎ユン・ソンミン(ソクミン)は契約解除、本国復帰。

昨年、オリオールズと3年合計$5.75MILの契約を結んだユン・ソンミン。しかしビザの問題でスプリングトレーニングの公式戦に出場できたのが3月後半からと、準備不足のままシーズンに臨みました。その結果、1年間3Aで投げて防御率5.74と結果を残せず。球速がそれほどでないのは織り込み済みだったと思うのですが、オリオールズはもう少し制球がいいと思っていたのではないかと。

今年はマイナースタート。しかもメジャーリーグのキャンプに招待もされず、本人もひどく落胆したという情報がわりと早くから流れていました。その結果、オリオールズはユンの希望に従って契約を解除し、ユンは $8.1 milの契約で起亜タイガースに復帰することになったそう(ソース:MASN)。

オリオールズ、アジアにも積極的に手を伸ばしているのですが、今のところ成功したのは上原とチェンのみ(まあ、このふたりは大成功なので、それでいいとも言えますが。)ユンと和田は、在籍時にはMLB昇格ならず。そういえばキム・ソンミンはどうしているかしら。スカウトの禁足令はまだ続いているのかな(不明)

◎マーク・ヘンドリクソンを解雇

2009-11年までオリオールズでリリーフをつとめ、その後独立リーグなどで投げていたヘンドリクソン。当時の投げ方からサイドにフォームを変更して、今春、マイナー契約で再びのメジャーに挑戦していました。40歳の挑戦、みたいな形でなぜか日本のスポーツ紙にも取りあげられたりしていましたが、オープン戦では残念ながらふるわず、きょうリリースに。球団は、コーチなどの役職を打診したようで、ショウォルター監督も「いいコーチになると思う」と言っていました。もともと、人柄は折り紙つきで、オリオールズにいるころは、投手陣のまとめ役をするほど。その当時生まれた小さい子がいたりして、よその球団に引っ越したくないのだと言ってましたけど、仕事は必要でしょうから、コーチになるんだろうなと推察しています。

◎マニー・マチャド、元気。

2年連続、ひざの膝蓋大腿靱帯の手術で長期欠場したマチャドですが、膝の不安は解消したようで、守備でもいい動きを見せています。

これとか。これとか。←ちょうどインタビューを受けていたウェイン・カービー守備走塁コーチの、いかにもうれしそうな”Show off!(見せびらかしちゃって、もう~)”He’s special.(あいつは特別だよ)”というセリフが笑えます。

マット・ウィーターズは、明日、捕手復帰戦。

すでにプエルトリコ相手のBゲームでは、ティルマンとバッテリーを組みましたが、そちらは、相手に「盗塁しないでね」と前もってお願いするという制約を設けての試合。明日からは、二塁送球も解禁になります。そのプエルトリコ戦で内野安打を打って、それが今春初安打。ショウォルター監督から「ボールを記念にとっておくか?」と声も飛んだようですが(笑)本人は焦らず、じっくり取り組んでいるようです。

デイヴィスと(そしてほかの10人前後と)同様、今季でFA。若くしてデビューしたので、最初の1、2年は成熟に費やされ、あいだに怪我の離脱がはさまって、まだマット・ウィーターズの本当のすごさはほんのちょっとしか見てない気がするのですよ。

ボラス物件だということは百も承知なんだけど、なんとかオリオールズと契約延長してもらえないかなあ。コアメンバーがひとりでも残ってくれると、ぜんぜん気分が違うんだけど。

◎エバース・カブレラ、外野起用もあり?

今春.286と、そこそこ打っているカブレラ。今日はBチームで初めてのセンターに入っていました。ここまで内野守備ではけっこうポロポロやる場面もあり、また盗塁死、走塁死も多いのですが、ショウォルター監督も器用さは買っているもよう。最後、ロスターに残ってくるでしょうか。(なお、まだオプションも持っているそうです。)

きゅうに仕事の話になりますが、先日ちょうどショウォルター監督がヤンキース時代の1995年のマリナーズとの地区シリーズのあと、ルーキーだったリベラの起用法(なぜもっと投げさせなかったのか)をめぐって批判の矢面に立たされ、辞任に追いこまれたところを訳していました。

ついつい原文に書いてないところまであれこれ(喜々として)調べてしまい、「もっとリベラを使えっていったって、このときは連投だったし、ルーキーなんだからクローザーに任せるのは当然でしょう」なんてショウォルター監督の弁護に走ってから「いや、でも、ここで辞めたから今があるんだけどね」なんて思いかえしたりしています(笑)。

ちなみに、当時のGMジーン・マイケルはショウォルター派で、スタインブレナーに翻意をうながし、スタインブレナーもだんだん不安になって、いったん「新監督トーリ」を発表したあとでショウォルター監督の家まで訪ねていき、「やっぱり戻ってきてくれないか」と頼んだのだそう(これは、今訳している本ではなく、スタインブレナーの評伝による)。でもそのときにはもう、3年後だかに球団が発足する予定になっていたダイヤモンドバックスと契約を交わしていたので、翻意はならず。

ちなみに、なんで「新監督トーリ」を発表してからスタインブレナーが揺れたかというと、そこまでトーリ監督がメッツ、カージナルスの監督時代を通じて大きく負け越しており、世間からごうごうたる非難の声があがったからなのだそうです。うそみたい。

いや~、ほんとに人生どうころぶかわからないし、予想というものも、どこまでも予想でしかないのだなと。

そしてショウォルター監督が山坂越えて、修羅場もたくさん越えてオリオールズにやってきたのだということをしみじみとかみしめています。

関連情報のところに、ショウォルター監督関連の記事を二本リンクしておきますね。

P.S.

そうそう、そういえばショウォルター監督が去年最優秀監督賞を受賞したとき、プレゼンターをつとめたのが、その95年当時にヤンキースのGMだったジーン・マイケルなんですよね(動画)。調べているうちに色々つながっちゃうので、ひとりで「へぇ」ボタンを連打している今日このごろです(笑)。