Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

上原:久しぶりの招かれざる客、ハムストリング痛

投げるとき軸脚にかかる力を前に逃がすようなフォームに変えてから、しばらくハムストリング痛のなかった上原。ところが3月17日の試合前のランニング中、ひさびさに左脚のハムをいためてしまいました(オフィシャルサイト、ブログ)。

さいわい、それほど重症ではないといわれていますし、投球動作中ではなくランニング中だったことも、よかったかもしれません。(OBの解説者の方たちの話によれば、投球動作中だと、同じ動きをするときに再発しやすく、恐怖心がぬぐえないということなので。)

もう軽いランニングや、遠投は始めているようで(Facebookの映像)、ファレル監督は、(少なくとも表向きには)楽観的で、開幕は心配ないと話しているようです。

とはいえハム痛は、巨人時代の2年めからずっと悩まされてきた招かれざる客。2010年には、今回ととても日付の近い3月19日にやはり左脚のハムをいため、開幕をDLで過ごしました。このときは、試合中、投球動作のあといためたということもあってか、おそらく今回よりは重症で、けっきょく復帰したのが5月7日。できればもう少し早く帰れるといいのですが、でもあせってほしくはないところです。

今日になって、「さほど重症ではないが、復帰をあせらず、開幕には無理に間に合わせないかも」という記事も出はじめました。個人的にはそのほうがいいような気もします。その場合の抑えは、ムヒカか田澤(おそらくムヒカ)であろうと。そうするとこんどは中継ぎが一枚薄くなるので、そこにはヴァルヴァロかオガンドが回るのでは、とのこと。そういえばTEX時代のチームメート、オガンドもいるんでしたっけね。今のところ4試合でERA4.50か……。ふうむ。 ヴァルヴァロはトレードでとったんですね。2年連続60試合以上投げてERA2点代でまだ30歳。トレードで出すにはもったいないような気もしますけど、アトランタブルペンが豊富っていうことなのかしら?

さて、ケガの話からはちょっとはなれて、きのうボストン・ヘラルド紙にこんな記事が載っていました。かいつまんでご紹介。

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Who has nastiest pitch on Red Sox pitching staff?

レッドソックス投手陣で、一番えげつないのはだれの球?」この質問を投手陣にぶつけてみたところ、だれもが異口同音に答えた。

「コウジのスプリットだね。ダントツだよ」と、クレイグ・ブレズロウ。

「真っ先に思いうかぶのは、コウジのスプリットかな」ブランドン・ワークマンも同じ意見だ。

 開幕投手と目されるバックホルツはこうだ。

「コウジのスプリットといわざるを得ないね。コウジのいいスプリットが打たれたのを見たことがないわけじゃないけど、せいぜいこの2年間で2度ぐらいだ」

 どうやら、レッドソックスのピッチャーは、みなコウジがうらやましくて仕方がないようだ。

それではと、「二番めにえげつないのは?」とたずねてみると、こんどはさまざまな答えが返ってきた。

「マスターソンのスライダーかな。調子のいいときは、すごいよ」と、リック・ポーセロ。

そのポーセロについて、キャッチャーのライアン・ハニガンは言う。

「ポーセロが、あんなにいいチェンジアップを投げるとは知らなかった。あと、ウェイド・マイリーのカッターは、右打者にも左打者にも打ちにくい」

「クレイのチェンジアップはすごくいいね」と、ジョー・ケリー。

そういう声があるけど、どう ?と、クレイにたずねると、

「ぼくは、エドゥアルド・ロドリゲスのファストボールがいいと思う」。

「スティーブン・ライトのナックルボールもお忘れなく」と、ブレズロウ。

つまり、1番はコウジのスプリッターで、2番は、みんな、ということのようだ。

上原のスプリットがすごいのは、たいていの場合、打者は、来るとわかっているのに打てないことだ。

日本では主に先発をつとめていた上原だが、2009年にメジャーに来てからは、ほぼ、持ち球ふたつでリリーフをつとめている。スプリッターの割合は徐々に高くなり、めざましい活躍をした2013年シーズンには、はじめてスプリッター(501球)の球数が4シームファストボール(479球)の数を超えた。昨年は、4シームがわずかにスプリッターより多く(471vs450)それにカッターや、カーブなどをわずかに交えていた。

今では、打者にもおなじみになったスプリッター。しかもスピードも平均81.8マイルとけっして速くない。それでも2013年には、スプリッターの被打率 は.093で 72奪三振、昨年も被打率 .191で、53奪三振だった。

上原は多くを語らないが、同じスプリッターでも違う握りで、打者の目先を変えるという話をしている。

ライアン・ハニガンは、昨年はレイズの一員として5月1日に上原と対戦したが、そのときはスプリットが来る前に初球のファストボールを打ち、センターフライに倒れた。

「あのスプリットはドカンとくるからね。来るとわかっていて、ストライクゾーンに落ちても、なかなかいいスイングができない」

「ぼくに言わせれば、あれはマジックだよ」と、ブレズロウ。「あれだけ威力があるのは、制球と、球筋の見きわめにくさも関係していると思う。マリアノ・リベラのカッターにたとえるのは失礼なのかもしれないけど、でもコウジのスプリットにはそれくらいの威力があると思う」

バックホルツも語る。

「ピッチャーもバッターも、最近ではなんでもかんでもやりすぎるくらい分析する。なのにコウジのスプリットは、球場じゅうの人たちが、来るぞとわかっていてもタイミングをはかれないし、バットに当てられない。すごいことだよね」

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あんまり褒め倒さないでください(笑)。

昨年の8月~9月の不調のときは、スプリットが落ちなくて苦労していましたが、あのときはどうやら腰痛か何かがあったと、キャンプの初めのころ報道されていました。今はとにかく、ハム痛をしっかり治して、また鋭く落ちるスプリットをぜひ見せてほしいです。

それにしても、インタビューに登場する名前が、トレードでやってきた人だらけで笑ってしまいました。

こんなにも激しく入れ替わった投手陣は、そうそうないんじゃないかな。

あと、アンドルー・ミラーの対価として昨年オリオールズが放出したエドゥアルド・ロドリゲスが今春絶好調で、胸がうずいています(^_^;; 今季中にメジャーデビューもありそうな勢い。ミラーはタイガースと争奪戦になり、オリオールズは、ロドリゲスを出したおかげでミラーを獲得し、そのタイガースをやぶってALSCに出られたのだから、仕方がないんですけどね。

最後にオリオールズの話になってしまいますが、じつはトラビス・スナイダーの獲得にも若手左腕二人を放出しています。そして、一昨年のバド・ノリスのときにも左腕のジョシュ・ヘイダーを出しているんですよね。今春、この2年ほどブルペンで使っていたブライアン・マタスをまた先発で投げさせていて、いい結果が出ているので、すわ、マタスを他球団向けに見せて、トレードするという流れか、という噂が渦巻いていますが、できればキープしていただきたい。チェンも今オフFAで、やはり代理人がボラスですので、気がついたら左腕がいなくなっていたなんてことになりかねません。

【追記】

現地3/23のピート・エイブさん(ボストン・グローブ記者)のツイート。

Koji Uehara playing catch with good intensity. Zipping the ball out of a slow windup. Won't be long for a game.— Pete Abraham (@PeteAbe) 2015, 3月 23

「上原が強めのキャッチボール。ゆったりしたフォームから、ビシッとした球を投げている。復帰は遠くなさそう」

肩ひじは悪くないようなので、よかった。あとは、ピッチングにともなう急な動きですかね。フィールディングの際のターンとか、一塁ベースカバー(これが一番どきどきする)とか。そこをクリアするのに、どれくらいかかるかな、というところだと思います。

ライターの菊地慶剛さんは写真をアップしてくれてました。力強いフォーム。これだけ見ていると、開幕は大丈夫そうな気がします。

ということで今日は“カメラマン”として上原投手のリハビリを取材してきました。キャッチボール再開から4日目。最後の方はかなり思い切り腕を振っていたように見えました(その分左脚への負担もかかります)。確実に前進しています! pic.twitter.com/hRWOrLG19N— 菊地 慶剛(靖) (@joshkikuchi) 2015, 3月 24