Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's、デッドラインでジェラルド・パーラを獲得

今年もトレードデッドラインが過ぎていきました。

わたしのなかでは、レッドソックスがたたき売りしまくった昨年2014年の印象が強かったので、今年は静かな立ちあがりかな、と思っていたら、とんでもない。昨年以上にど派手なトレードデッドラインでありました。

トロントね……トゥロとプライスとリビアと……いいんだ、もう。トレードマニアのトロントが派手に動くことには、だんだん慣れてきちゃった。13試合も残っているというNYY相手にがんばってください。

偽ローゼンタールもまたまた出没しました。もはや風物詩というか。

アカウント名が微妙にちがうのがわかるでしょうか。こうやってプロフィールまで見ればフォロワーが少ないのですぐわかりますが、流れてくるツイートだけ見ているとやられます。現地のデッドラインギリギリ、こちらの午前3時ごろに流れた「セスペデスがメッツへ」という偽物のツイートには思わずだまされました。あちらの記者のなかにもだまされる人が続出。メディアリテラシーもなにもあったもんじゃない(^_^;;

Fake @Ken_Rosenthal account got me and @ScottMillerBbl on Cespedes-to-Mets deal. My bad.— Phil Rogers (@philgrogers) 2015, 7月 31

「ローゼンタールの偽アカウントにつられた。申しわけない」

Source: #Mets get Cespedes. Bruce Levine first.— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2015, 7月 31

そして、その2時間後ぐらいに本物がツイート。偽物の予言(?)どおりセスペデスはメッツへ。

Correct me if I'm wrong. But I think Fake Ken Rosenthal was 1st to report the Cespedes to #Mets deal. Guy deserves a raise.— Jerry Crasnick (@jcrasnick) 2015, 7月 31

「セスペデスのトレード、第一報は偽ローゼンタールじゃないか? ボーナス出さないと」なんてツイートも(笑)

このカオス感、たまりません。日本のMLBファンにとっては深夜のお祭りです。

さて、オリオールズは、外野手ジェラルド・パーラを獲得し、それとはまた別に頼れるリリーバーのひとり、トミー・ハンターを放出しました。

オリオールズ←ジェラルド・パーラ

 ザック・デイヴィーズ→ブルワーズ

 パーラは、ベネズエラ出身の28歳。ドラフト外ダイヤモンドバックスと契約し2009年にメジャーデビューした左投げ左打ちの外野手。2度のゴールドグラブを獲得している守備の名手です。昨年ブルワーズにトレードされ、今季は対左投手のスプリットが向上したそうで、目下.324/.366/.512 と好調。合流初日には二塁打と四球、今日8月3日(現地)のA’s戦でも4打数2安打1四球と粘り強いバッティングを見せています。

 オリオールズが外野手にねらいを定めていたことはずっと報道されていたのですが、ジャスティン・アプトンらの名前があがることが多くて、正直、あまりほしいという気持ちがわいてきませんでした。しかしふたをあけてみれば、パーラの獲得。ナリーグにうといわたしなので、「誰?」というのが最初の反応だったのですが(ごめんなさい)D-BacksファンのSakiさんたちに情報をもらうにつれ、「いかにもオリオールズらしい補強だなあ」としみじみ感動してしまいました。ショウォルター監督の持論で「いろいろなことがかみ合ってくる」28歳という年齢、守備のよさ、そしてカムデンヤーズで有利といわれる左打者。すごくいい選手をとったと思います。今季の年俸が6.23MIL とそうとっぴょうしもない額ではないので、後半戦活躍して、3年程度のリーズナブルなエクステンションを結んでくれたらいうことないんですけどね。

いっぽうオリオールズから放出されたザック・デイヴィーズは、2011年のドラフト26巡め。185センチ72キロとおそろしく細身ですが、3Aで18試合に先発し、ERA2.84という成績をあげているプロスペクトです。高校出身の22歳なので体はまだ大きくなるでしょう。カムデンヤーズで見られなかったのは残念ですが、必ずやメジャーで活躍することと思います。がんばってほしいです。

・トミー・ハンター→カブス

 オリオールズ←ジュニア・レイク

カブスから請われての移籍です。ハンターは今シーズン後FA。クオリティ・オファーをすることはおそらくなかったでしょうから、トレードは理にかなった動きではあります。2011年、上原とのトレードで、クリス・デイヴィスとともにテキサスからやってきました。2013年にリリーフに転向すると、最速100マイルを計測するようになり、ダレン・オデイとともに8回を担う存在に。2014年当初はクローザーをまかされてうまくいきませんでしたが、その素質はあるでしょう。カブスでは移籍後いきなりセーブ1をあげています。カブスにはアリエッタ、ストロープなど元オリオールズ組もいるので、すんなりとけこめるといいですね……ってか、あっかるい性格なので、たぶんどこへ行っても大丈夫でしょう。去年、日米野球で見られたのはうれしかったな。(関連記事のところにそのときの記事をあげておきます。「気がもめる」というタイトル。)

交換相手は、カノーと同じドミニカの野球のメッカ、サン・ペドロ・デ・マコリス出身の25歳、カブス期待のプロスペクトだったジュニア・レイク。5ツールプレーヤーとしての身体能力を備え、内外野どちらも守れるようですが、メジャーではちょっと伸び悩んでいた? 3Aでは今季も.315/.404/.472とりっぱな数字を残しています。野手のプロスペクトが貧弱といわれるオリオールズにとっては、たいへんよいトレード。ひとまず3Aに配属されました。

その他の動きを。

◎バド・ノリスをDFA

一昨年、ジョシュ・ヘイダー、LJホーズとのトレードでアストロズからやってきたバド・ノリス。昨年は15勝8敗ERA3.65と自身最高の数字を残し、オリオールズの地区優勝およびALCS進出に大きく貢献しました。ところが今季は5月に気管支炎をわずらって体重が激減したこともあり、ERA7.06という別人のような不振。本人も語っているのですが、契約最終年で雑念が多かったことも災いしたようです(MASN)。そういうこととうまく折り合いをつけていくのもプロとして必要なことの一つですのでね……あまりえらそうなことはいえないけどさ。まだ30歳だし、ここでもう一度体勢を立て直して、新しい働き場を見つけてほしいものです。

◎マイカル・ギブンズ、2009年ドラフト組初の昇格&勝利

オリオールズの2009年ドラフトは、1巡めのマット・ホブグッドが、肩痛等で手術につぐ手術、というプロ人生を歩んでいるのを初めとして、ここまでひとりもメジャー昇格者がいませんでした。それに終止符をうったのが2巡め指名のマイカル・ギブンズ。遊撃手としての指名でしたが、投手に転向し、下手投げの変則的なフォームながら、90マイル台中盤の球を制球よく決めてきます。7月31日のタイガース戦では5回途中から12/3イニングをぴしゃりと抑え、その後チームが逆転して、メジャー初勝利。おめでとうございます! オリオールズは、トレード戦線に際して、ゴーズマンと、このギブンズは守り抜くつもりだったようなので、これからバンバン活躍してください。

それにしても2009年ドラフトの1巡めって、メジャーに上がっていない人がほとんどいないくらいなんですよね。こういうのをずっぽりはずしちゃうのも、暗黒時代の象徴だなとあらためて思います。

◎ハーディ好調(^-^) ヒメちゃん急降下(-_-;;

前回のエントリで、ハーディはオールスター休みを生かして後半がんばってほしいと書いたら、その通り最近14日間で打率.277と、ぐっと復調してきました。

一方、後半戦に突入して以来絶不調なのがウバルド・ヒメネス。ここ3試合のERAはなんと9.64(-_-;; 立ちあがりにいきなり大量失点するケースが多くて、たいへんよくないです。このままだとまたローテはずされるよ?

反対に、オールスター直前ぐらいからぐんぐん調子をあげてきたのがクリス・ティルマン。なんとこのひと月の自責点が、わずか3。ERA0.91です。この調子を保ってくれたら、ゴーズマンとともに2本柱になりそう。ただ、前回登板でちょっと足をくじいて、先発を一度飛ばし、つぎは金曜日に登板予定なんですよね。しっかり治してベストコンディションで投げられますように。

◎ショウォルター監督就任5周年

早いものですね~。わたしは2009年に上原の移籍とともにオリオールズとのつき合いが(一方的ながら)始まったのですが、なんといっても2010年8月の、ショウォルター監督の就任が大きかった。オリオールズを見はじめた当初から「こんなにすばらしい選手がたくさんいるのにどうして勝てないの?」と思っていたのですが、ショウォルター政権が始まってから、パズルのピースが魔法のようにピタピタとはまり出し、ドミノ返しのように黒星が白星へと変わっていくのを見て、まさしく Fell In Love という心境を味わったのでした。

もっとも最初は、シンデレラの魔法みたいに、1週間ぐらいでカボチャとネズミに戻るんじゃないかとずっとびくびくしていたのですが。

(下の関連記事のリンクにあげた「エンゼルスをスイープ」という記事の一番下あたりに、私「ひとつ負けたとたんに魔法がとけて、元のカボチャとネズミに戻ったのでは意味がない」と書いています。)すると翌年、ショウォルター監督自身が「野球にはシンデレラチームなんていうものはない」と、同じ比喩を使ったのでびっくり。

就任時のエントリなど、いくつか関連記事のところにリンクを貼っておきます。

それと、オールスター期間中にMLBネットワークで放映された “Buck Showalter: A Life in Baseball” という30分番組のいくつかの場面がオフィシャルサイトにアップされていたので、そちらも自分への心覚えとしてリンクを貼っておきます。若き日のジーターのことやアダム・ジョーンズとのエピソードなど、いろいろ興味深いです。くせのある英語でしかも早口なので、聞きとれないところも多いのですが(>_<)

このなかのどこかで言っているのですが、オリオールズでの仕事が “Last Rodeo” だと。これが最後というつもりでやっていると語っていました。今季はチーム状態がよかったり悪かったりなのでちょっと難しいかもしれないけど、オリオールズにいるあいだになんとしてもリングを取っていただきたいんです。だからどうか、5年といわず、10年といわず、元気でいるかぎりずっとオリオールズの監督でいてください。

“Buck Showalter: A Life in Baseball”

1995年地区シリーズでシアトルに逆転負けしたときをはじめ、ポストシーズでの苦い思い出について。

かつてのヤンキース監督、ビリー・マーティンから受けた影響

若きジーターの印象

セイバーメトリクスについて

センターから自分の一挙一動を観察しているアダム・ジョーンズ(笑)

ジーターのヤンスタ最終戦でのサヨナラ打(歩かせるつもりはなかったのか?)について