Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

ダレン・オデイ、O'sと大筋合意と報道も、本人は「契約はまだ」と慎重

今オフFAのなかでは最高のリリーバーで、オデイが決まらなければほかも決まらないと言われ、多くの球団から熱いラブコールを受けていたダレン・オデイが、オリオールズと大筋合意したと伝えられています。夫人がFOXテレビワシントン支局のレポーターをしていることもあって、西海岸へは行きたくないといわれ、最終的にはオリオールズナショナルズの一騎打ちのような形になっていました。

そしてまず現地12/6(日)の朝、CBSのジョン・ヘイマンが「オリオールズ残留が濃厚」とツイート。それを追って、おなじみのケン・ローゼンタールが「合意」を報じます。

Source: #Orioles, O’Day in agreement on four-year deal, pending physical. @JonHeymanCBS reported O’s were likely.— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2015, 12月 6

オリオールズの地元記者も、球団関係者から「大筋合意」の確認をとり、このころには各メディアがいっせいに記事を配信。

Orioles sign Darren O'Day to 4-year deal: https://t.co/V8V4HDolX6 pic.twitter.com/0b7mqrmcWA— MLB Daily Dish (@mlbdailydish) 2015, 12月 6

報じられた合意内容は4年31MIL。ナショナルズのオファーのほうが、単年の額は大きかったものの、3年契約だったとのこと。

これまでリリーバーで4年契約をもらったのは、昨年のアンドリュー・ミラー(30)と、デイヴィッド・ロバートソン(30)だけ。オデイは33歳で上記のふたりより3つ年上です。またオリオールズは、伝統的に投手に3年を超える契約をオファーしなかったことでも知られ、2013年オフ、ウバルド・ヒメネスに4年50MILのオファーをしたのが球団としては初めて。しかもその4年契約は、これまでのところ成功しているとはいえません。

つまり報じられた契約内容が示すのは、オリオールズがそれだけオデイの残留を強く願っているということ。

2011年オフ、レンジャーズからDFAされたところをオリオールズがひっそりとウェーバーでクレームしたのが、オデイのサクセス・ストーリーの始まりでした。すると、ショウォルター監督のブルペン操縦術ともあいまって、4年間通算のERAが1.92。年度ごとでも2.28、2.18、1.70、1.52と、安定している……いや、むしろ年を重ねるごとによくなっているのがわかります。MLB.comのこちらの記事によれば、過去3年間150イニング以上投げた投手のなかで、オデイの3年通算防御率1.79より低かったのは、ヤンキースのベタンセスと、ボストンに移籍したキンブレルだけだそう。

“Funky Delivery”と評される独特の下手投げから、浮き上がるような右打者インハイの4シームと、アウトローへ逃げていくスライダーの両方が決め手。先ほどの記事によれば、2015年に4シームファストボールを200球以上投げた投手は389人いたそうですが、そのうち381人はオデイより球速が速い。(残りの8人が誰なのか気になるけど、コウジ・ウエハラはまちがいなく入っていそう(笑))ところがその球速の速い投手たちのなかで、オデイのファストボールより空振り率が高いのは、アロルディス・チャップマンだけなのだそうです。ほんまかいな? 独特なフォームだから、というだけでなく、コントロールのよさも、空振りをうばえる大きな理由なのでしょう。

ところが、こうして「オデイ、決まったんだ! やった~! オリオールズも思い切ったね」と浮かれていたところに、オデイ本人からバシャーッと冷水が(>_<)

Contrary to the news, I have not reached an agreement with the O's yet. I am flattered by all the attention, but reports are premature.— Darren O'Day (@DODay56) 2015, 12月 6

(報道とはちがって、オリオールズとはまだ合意に達していない。これだけ注目してくれてありがたいけど、報道先行です。)

……え、これってまさか、「やっぱりナショナルズだもんね」っていう逆転があるわけではないですよね? どきどきどき……。

地元記者の多くもツイートしていたのですが、明日からのウィンターミーティングにそなえて、チームドクターがナッシュビル入りしているため、週末までは正式契約ができないのだそう。

オリオールズといえば、健康診断がきびしくて、これまでに13年オフのグラント・バルフォアの事例をはじめとして、健康診断が理由で契約がぽしゃったり、内容が変わったりすることがたびたびありました。バルフォアのときは、オフの早い時期の一大騒動にもなりましたが、あれも半分は報道が先行したせいですから、オデイはそこに釘を刺したのだろうと考えられています。

とはいっても、わかりませんけどね。オフのこの時期は、またシーズンとはちがったざわざわ感があって悩ましいです(^_^;)

もうひとつオデイについて。

チームが、これだけコミットしようとしているのは、投球内容もさることながら、チームリーダーとしての素質を高く評価しているから。ブルペンのまとめ役であるのはもちろんのこと、チーム全体にも目配りしていて、2014年の終盤にクリス・デイヴィスが薬物で出場停止になったときには、きびしく叱責したとも言われています。

まあ、あまり気をもんでもしかたがないので、ここに書いたらしばらく忘れるつもりですが(はけ口?)、オデイさん、戻ってきてね~!

その他の話題を。

◎トレードでマーク・トロンボを獲得、スティーブ・クレベンジャーがマリナーズへ。

今オフのDD(ダン・デュケット編成本部長。同地区にデイブ・ドンブロウスキーが来ちゃいましたけどね)は、積極的です。

昨シーズンの今ごろは、ひたすら、「デュケットはトロントの球団社長になるのでは」という話ばかりが盛り上がって、ウィンターミーティング中は補強の話もほとんどなく、シーズンがはじまってからも、チーム内でDDに対する不満が強いとか、監督とうまくいっていないとかいう報道がちょいちょい出ました。

まあ、勝てないときってのはそんなものです。

でも、今オフは、主力選手7人がFAになることもあって、オリオールズにとっては勝負のオフシーズン。「ウィンターミーティングは種をまくだけ」とのんびりかまえているわけにはいかないという強い気持ちが見えます。逆にそれがあせりにつながらないといいなという気持ちもありますが。

トロンボ獲得は、理にかなった動きではあると思います。デイヴィスが戻る保証がない今、一塁のレギュラーには十分なりうるし、デイヴィスが戻ってきたらきたで、DHや(いちおう)外野という選択肢もあります。

トレードとして見れば、交換相手が、ウィーターズの残留によって第3の捕手になってしまったクレベンジャーひとりで、マリナーズからはさらに左腕リリーバーのC・J・リーフェンハウザーも来るということなので、けっして悪い話ではありません。

ただ、オデイに1年8MIL近くを投じ、デイヴィスのひきとめもまだあきらめないというなかで、1年9MIL超といわれるトロンボを獲得したことは、財政的にはけっしてらくではないなという印象。

反対にマリナーズ側としては、まさにサラリー・ダンプ。浮いた資金で青木の獲得も表明しましたし、つぎは投手陣ということになるのでしょう。いつもながら、トロンボトレードの分析記事は、ほかのブログ主さんのほうがすぐれていますので、下にリンクを張らせていただきます。

放出されるスティーブ・クレベンジャーについてもひとこと。

13年7月にカブスとのジェイク・アリエッタ+ペドロ・ストロップ⇔スコット・フェルドマン+スティーブ・クレベンジャーというトレードでオリオールズにやってきました。

ちなみにこのあとアリエッタは急成長をとげて、なんと今季はサイ・ヤング投手に。まあ、ね、アダム・ジョーンズがオリオールズに来て開花したように、放出した選手が開花することだってあるさ……ということなのですが、エース級の投手がノドから手が出るほどほしいオリオールズとしては、まちがいなく悔いの残るトレードではあります。

かといって、アリエッタがあのままオリオールズにいたら果たして花開いたかどうかはわからない。いつも自信なさそうな顔をして投げていましたから、やはり環境を変えたのがよかったのかもしれません。当時はヒジ痛(骨棘)をかかえていて、それがようやく癒えたという話もあるし、リリースポイントを変えたのがよかったという話もありますが、真相は本人にだってわからないでしょう。

ともかくその代わりにオリオールズにきたクレベンジャー。ボルチモア育ちの地元っこで、当時はトレードをとても喜んでいました。打撃がうりの捕手ですが、首脳陣からは「ディフェンスを向上させるように」と課題を出され、地道に取り組んだ結果、今季は9月にコールアップ。3Aでの打撃力をそのまま上でも発揮して、比較的よく打っていました。

なかでも9/12、ホームでのロイヤルズ戦では8回にノーラン・ライモルドとともにイニング2発のグランドスラムという離れ業の一端をになって、立役者となりました。捕手のほかに一塁やDHなどもこなせます。なんとか打撃力を発揮して、ロスターに食い込んでもらいたいです。

もうひとつだけどうでもいい情報を。クレベンジャーさん、どういうわけかツイッターでわたしをフォローしてくださっているんですよ。それも170人のフォローのひとりという……ほかは地元記者とかチームメートとか、そんな人ばかりなのに、なんかはげしく勘ちがいされているような気もしますが、とてもうれしいです(笑)。日本のTVにはオリオールズよりマリナーズのほうがひんぱんに登場しますから(青木さんも入団したことだし)ぜひ活躍して、NHKBSで試合後インタビューを勝ち取ってほしいです(笑)。がんばれ~!

◎ポール・ヤニシュ、デイヴィッド・ロウ、スティーブ・ジョンソンをノンテンダー。ロイヤルズから捕手のフランシスコ・ペーニャを金銭トレードで獲得。

ペーニャは、クレベンジャーがいなくなったことで、捕手の保険として。ポール・ヤニシュはセカンド、ショートの守備にすぐれ、ショウォルター監督に目をかけられてはいましたが、オフのもろもろの動きで押し出された形。デイヴィッド・ロウも外野の守備固めとしては役割を果たしていましたが、今季は打率.201、OPS.555と打撃不振でした。スティーブ・ジョンソンは肩の故障が癒えず、シーズン終盤にはロングリリーフとして期待されたものの、6試合でERA10.13と、力を出せずに終わってしまいました。

このジョンソンも地元っこで、父親が元オリオールズ投手のデイヴ・ジョンソン。そのためかどうか知りませんがオリオールズ、メッツ、ナッツの監督をつとめた、日本でもおなじみのほうのデイヴ・ジョンソンは、アメリカではデイヴィ・ジョンソンとよばれています。どうでもいい情報その2でした(笑)。  

【追記】

お、たった今、岩隈がドジャースと合意間近という報道が。まだ合意に至ってはいないようですが、きのうからの流れを見ると、そちらへ向かっているようですね。

Sources: #Dodgers moving toward completion of deal with Iwakuma. @JimBowden_ESPN says agreement is in place.— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2015, 12月 7

カーショウとタッグを組むのか~。黒田がいたころは、資金繰りに苦労していたドジャース。今はべつのチームみたいになっちまっていますが、岩隈さんが、どうとけこむのか、どういう働きを見せるのか、楽しみにしたいと思います。青木がアリーグに来てしまったので、ナリーグの放送枠がこれである程度確保されるかな? NL西地区、熱くなりそうです。