Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

オリオールズ2016年開幕ロースター

はー、やっとここまでたどり着きました(笑)。今日、開幕を迎えたチームもありますが、オリオールズは明日、4月4日開幕。

現地3日の夜12時をもってようやくロスターが確定したので、それを記しておきましょう。

まずはこちらを。

With #OpeningDay rosters set, here are all the Top 30 prospects starting the year in #MLB: https://t.co/76JoQ0dw9R pic.twitter.com/OdZisEgKya— MLB Pipeline (@MLBPipeline) 2016年4月3日

毎年、マイナーが枯渇した最弱のフランチャイズと言われつづけているわりに、今年はチームトップ30プロスペクトの中から5人が開幕25人ロースターに入りました。これはドジャースと並んでメジャー最多。もちろんそのなかには、ルール5でレイズから獲得したリカードも入っています(ほかはライト、ウィルソン、ギブンズ、バンディ)。

オリオールズの場合、いわゆるトップ中のトッププロスペクトは少ないんだけど、ケイレブ・ジョセフのように、年齢がいってからしぶく花開く人もいるし、いわゆる「格付け」からもれた人材をうまいこと使っているといえるかもしれません。スプリング・トレーニングでは、マイナー10年めで26歳のガラベス・ロサ(SS/OF/2B)が打ちまくって、ショウォルター監督から熱い注目を浴びていましたし、世間的には”out of nowhere”としかいいようがないところから、メジャーで活躍する選手が出てくるということもあるんじゃないかなと期待しています。

ではロースターの紹介を。

☆野手 13名☆

【キャッチャー】2名

ケイレブ・ジョセフ(右)

マット・ウィーターズ(両)

ウィーターズは、オープン戦でHRもあり、また、守備シフトに対して再三バントヒットを決めるなど、小器用なところも見せています(笑)。ただ、最後の試合もヒジ痛で退くなど、一昨年TJを受けたヒジの状態がまだ完璧ではなさそう。今年もジョセフのサポートが大きくものをいいそうです。

内野手】5名

一 クリス・デイヴィス(左)

二 ジョナサン・スコープ(右)

遊 JJハーディー(右)

三 マニー・マチャド(右)

U ライアン・フラハティー(左)

DH/ ペドロ・アルバレス(左)

デイヴィスは、打撃はこれからかな。少しずつあったまってます。マチャドは、打撃、守備ともに準備万端の印象。

ショートのJJハーディは、昨年、肩の痛みがスイングに影響して、がくっと成績を落としました(打率.219、OPS.564)が、ケガがいえて、今年はオープン戦から.265と元気。

セカンドのジョナサン・スコープは、今春.349/.379/.571、4本塁打12打点と好調で、守備でもハーディと組んで難しいダブルプレーをよく決めていました。ブレイクアウト待機です。

ペドロ・アルバレスは、今のところ、一発もあるけど三振も多く、開幕してからのお楽しみといったところ。ただチームにはすんなりとけこめたと、インタビューなどではくりかえし語っています。

そしてスーパー・ユーティリティーのライアン・フラーティーは、オープン戦で.333と好調を維持。2011年12月のルール5ドラフトでカブスから獲得され、今年でメジャー5年め。外野もふくめ、あらゆるポジションを高いレベルで守れる、地味だけど頼りになるやつです。

【外野手】5名

ジョーイ・リカード(右)

マーク・トロンボ(右)

アダム・ジョーンズ(右)

ノーラン・ライモルド(右)

キム・ヒョンス(左)

前エントリで記したとおり、キム・ヒョンスがロスターに入り、オープン戦で.313、HR4本と好調だった招待選手のザビエル・エイヴァリーは、ロスター入りがかないませんでした。エイヴァリーはもともと2008年の2巡めでオリオールズにドラフトされた選手。2012年にちょっとだけメジャーにあがりましたが、その後いろいろなチームのマイナーを渡り歩いて、今年マイナー契約で帰ってきました。以前に比べるとパワーをつけたなという印象。そのうち昇格のチャンスがあるかもしれません。

ライモルドも、毎年のようにマイナー契約からはいあがってきます。今年はキャンプ前半打撃不振だったのですが、最後の5試合で打ちまくって開幕メジャーをつかみました。様子のわかっている選手だから、ある意味チームも安心なんでしょう。

ジョーンズは、ほどほどに温まった状態で開幕。トロンボは.290と春じゅう好調でした。開幕してからもお願いします。

そして、なによりも一番のびっくりは、レイズから昨年12月のルール5ドラフトで獲得したジョーイ・リカードの大活躍でしょう。こちらが、2015年12月にルール5ドラフトで指名された選手たち。リカードは8番めだったんですよね。オリオールズのドミニカ地区のスカウト(なのかな?)をつとめるフェリペ・アルーJr.が、リカードウィンターリーグでのプレーを見て、強くすすめたのだそう。オープン戦では .397/.472/.571(うち二塁打6)と打ちまくっただけでなく、四球8、盗塁5と、オリオールズに欠けている選球眼や走塁の資質を見せつけ、スプリングトレーニングの話題をかっさらいました。同時に、彼の活躍によって、キム・ヒョンスのポジションがなくなったという面もあります。さすがにシーズンが開幕して4割の打率を維持するのは無理でしょうが、臆することなく持てる力を発揮して、外野の一角を完全にうばってほしいです。ジョナサン・スコープと同じ91年生まれで、今年25歳になるという若さ。わくわくする選手です。

そだそだ。リカードは、4/1日の試合のあと監督室に呼ばれたのですが、行ってみると部屋はまっ暗。それから電気がついてみたら、そこに全コーチ陣が集まっていて、開幕メジャーを告げられたそうです。粋なはからい……というよりは、コーチたちがみんな、リカードの喜ぶ顔を見たかったんでしょうね(笑)。今朝(現地3日)も、ショウォルターさんからこんなコメントが。

Buck on Rickard: "I’ve seen his face twice down the hall and it’s fun to look at. I’m living through him. That’s pretty cool. Fun to watch."— Roch Kubatko (@masnRoch) 2016年4月3日

リカードについて:廊下であいつの顔を二度見たよ。たのしいね。あいつの人生を共に味わっているようだ。なかなかすごいことだし、見ていてこちらまで愉快になる」

☆投手 12名☆

【先発】4名

クリス・ティルマン(右)

ヨバニ・ガヤード(右)

ウバルド・ヒメネス(右)

マイク・ライト(右)

休みの都合上、5人めの先発が必要になるのは4月10日から。ブルペンのヴァンス・ウォーリーかタイラー・ウィルソンのどちらかが行くと思われます。DLスタートのケヴィン・ゴーズマンは、4月19日からのトロント戦あたりで復帰予定。

オリオールズは、周知のとおり先発陣が最大の弱点とされています。チェンがいなくなって、左腕先発もいませんし(……エドゥアルド・ロドリゲス……ぐちぐち。まあ、彼もボストンでDLスタートですが。)

でも、ガヤードはそこそこやってくれそうだし、マイク・ライトも球はいいので、あとは打たれ始めたら止まらなくなるクセをなんとかしてくれれば……オープン戦を見ていると少し粘りが出てきたかなという印象。

ESPNのキース・ローなんかは「アリーグ東で、1チームだけはっきりと優勝争いにからまないのはボルティモア・オリオールズ」なんていいやがりましたが、わたしが見はじめた2009年と比較しても先発陣はそこそこマシなんですよ(笑)。だからそんなに悲観することもないんじゃないかと思ってます。

あともうひとつ。昨年 ERA 4.91 と不調で、今季に復活を期していたミゲル・ゴンザレスが、4月1日にリリースされました。オープン戦での ERAも9.78。最後の登板では5回1失点でしたが、毎回のようにランナーを出し、見ていて、これならタイラー・ウィルソンのほうが上、と思ったのも事実。でもエンゼルスのマイナーからメキシカンリーグを経て2012年にオリオールズでメジャーデビューした苦労人ですし、メジャー通算39勝33敗、ERA3.82はりっぱなもの。リリースのニュースを聞いたときには、ちょっとショックでした。オリオールズマイナー契約をオファーしたようですが、ゴンザレスはホワイトソックスとのマイナー契約を選んだとのこと。まだ31歳と若いですし、もうひと花咲かせてほしいです。

【リリーフ】8名

タイラー・ウィルソン(右)

ヴァンス・ウォーリー(右)

TJマクファーランド(左)

ディラン・バンディ(右)

ブラッド・ブラック(右)

マイカル・ギブンズ(右)

ダレン・オデイ(右)

ザック・ブリトン(左)

ブルペン陣で特筆すべきはディラン・バンディ。1昨年TJ手術を受け、昨年は脇腹痛や脚の肉離れなどに悩まされて、ほとんど投げていなかったのですが、今春はすばらしかった。何度か映像を見ましたが、150台中盤の速球と大きなカーブがあり、もう少し変化球で空振りをとれるようになったら、すごいことになりそう。ただ、ブルペンで厳しい場面でばかり登板していると、変化球を伸ばす機会が減ってしまうんじゃないかなと少し心配でもあります。とはいえ、とにかく今年は、健康体で投げ続けるのが一番の課題。結果はあとからついてくるでしょう。もうみんな早くバンディに先発してほしくて仕方がないので(笑)、イニング数をうまく制限しながらやれば、シーズン最終盤に何度かそんな機会も訪れるかもしれません。

タイラー・ウィルソンは、球はさほど速くないのですが、制球がよく、粘りがあって、今年は先発にリリーフにといろいろな役割でフル回転しそうな予感。オプションもあるので、ちょいちょい3Aに送り返されるでしょうが、がんばってください。

クローザーのブリトンは、オープン戦でも盤石。オデイは、ちょいちょいランナーを出していましたが、まあ大丈夫でしょう。ギブンズもおおむね好調と見ました。なので7-8-9回は、いい布陣です。前回のエントリでも書いたように、先発が5回、6回までなんとか試合を作れば戦えると見ています。

☆【DL】3名☆

ブライアン・マタス

ケヴィン・ゴーズマン

ジミー・パレデス

マタスは、腰痛と風邪で実戦不足。ゴーズマンは右肩痛でどきっとしましたが、腱の炎症ということでコルチゾンの消炎剤を注射したらだいぶよくなったとのこと。もうキャッチボールを始めていて、4月19日、トロント戦あたりからの実戦復帰をめざします。パレデスはキャンプが始まったころに手首の骨折が判明。こちらは時間がかかりそうですし、チーム状況によっては、復帰即DFAもあり得るかもしれません。

はー、ついつい長くなってしまいましたが、こうして2016年も始まります。

まあ、理想的なチーム編成とはいかないかもしれないけど、見ていておもしろい試合はしてくれるんじゃないかなと。今年もたのしく応援しますよ。

Go, O’s!!