Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's: ロケットスタート(?)のあと必死に貯金を守る

開幕から1か月たちました。

オープン戦で開幕10連敗をやったあと、レギュラーシーズンに入ると驚きの開幕7連勝。じつはショウォルター監督は安定感を旨とする監督なので、オリオールズの監督に就任してからさほど大連勝はなく、この7連勝が最長。

ふだんあまりやらないことをやったので、このあと大連敗なんかしないといいなあと思っていましたが、4月13日に初黒星がついてからは、しっかり通常運転に(笑)。11勝12敗で、開幕時のタンス貯金をどうにか維持しております(ひとつへってるけど)。

きょうの時点でHR数は43本でアリーグトップ。メジャー全体では、メッツ、カージナルスについで第3位です。

とくにきのうのアスレチックス戦での、マチャド、アルバレス、スコープ、トランボ、リカード、マチャド(グラスラ)の6本塁打はすごかった。(動画はビデオ。音が出ます。)

Goodbye, home runs! ALL of them. #VoteOrangehttps://t.co/w527tX4Fof— Baltimore Orioles (@Orioles) 2016年5月9日

「ホームランでしか点が取れない」といいますが、タイムリーがみんなホームランになっちゃうんだから仕方ないじゃない?(いやらしいって)

まあ、よくも悪くもオリオールズの究極の形のひとつではあります。現時点でマチャドとトランボが9本ずつ、デイヴィスが8本でつづき、スコープも5本。例年どおり、パワーではどこのチームにもひけをとりません。

「でも三振が多くて粗いんじゃない?」というツッコミが当然くるわけですが、今年は若干の改善が見られています。

    2015(シーズン通算)  2016(現時点)               

三振率 22.2 %(リーグ2位)  21.8%(リーグ7位)

四球率 7.9% (リーグ13位)  8.5%(リーグ6位)

出塁率 .307 (リーグ12位)  .330(リーグ2位)

どの数字もすこしずつ良化しています。とくに出塁率は大幅な改善。まだ30試合消化時点なので、あまり喜びすぎるのもどうかと思いますが、試合を見ていて、凡退する打席でも相手投手にできるだけ多く球数を投げさせようという意識は見られますし、チームをあげて出塁率強化をうたってきた成果が多少は見られるのかなと思います。

では投手陣はどうでしょう。こまかい数値はいろいろありますが、わたしはセイバーな人じゃないので防御率(ERA)だけ。

    2015(シーズン通算)  2016(現時点)   過去2週間

全体  4.05(リーグ7位)   3.63(リーグ5位) 3.41(リーグ5位)

先発  4.53(リーグ14位)   4.35(リーグ7位) 3.29(リーグ4位)   

救援  3.21(リーグ3位)   2.45(リーグ2位) 3.68(リーグ8位)

スマホで見るととちゅうで切れちゃうかな? もしそうだったらごめんなさい。

開幕ロスターのときも書いたと思いますが、やはりオリオールズ投手陣は、リリーバーがひっぱる形。ただ、去年壊滅的だった先発陣にも改善が見られます。とくにここ2週間は、ややお疲れ気味のリリーフ陣を先発陣がカバーする形。ひとつひとつの試合を見ても8日のアスレチックス戦でティルマンが6回1/3、3失点、前日の同カードでヒメネスが8回2失点と、少しずつ長いイニングを投げられるようになってます。この傾向がつづくといいんですけどね~。

なかでも特筆すべきは、5月5日のヤンキース戦でマーくんと投げ合ったケビン・ゴーズマン。日本の報道では当然のことながら、マーくんがすばらしいピッチングだったのに「不運にも」勝ち投手になれなかったということしか語られませんでしたが、不運だったのではなく、ゴーズマンも同じくらいすばらしい投球をしたから、見ごたえのある投手戦になり、どちらにも勝ち星はつかなかったんですよね(試合は、アルバレスのサヨナラ犠飛オリオールズが勝利)。

8 IP, 0 ER, 98 pitches. @KevinGausman isA) DominantB) EfficientC) #ASGWorthyD) A, B & Chttps://t.co/92AvEJi4su pic.twitter.com/pFf6T3jbPJ— Baltimore Orioles (@Orioles) 2016年5月6日

(ツイート下部のリンクでビデオにつながります。)

96マイルの速球、それより10マイルほどおそい「スプリットチェンジ」。この日はどちらも効果的でした。

肩の腱炎で3週間ほど出遅れ、4/25日の初登板以来まだ3試合しか投げていませんが、イニング数も5回、6回、8回とのばし、ERAも1.42。

いよいよ真のゴーズマン到来か? ……まだ3試合じゃなんともいえないけど、昇格したてのころのように、ただただ速球をど真ん中に投げ込んで打ち返されていたころから見ると、ずいぶん大人になった印象。とにかく健康をたもって、投手陣をひっぱっていってほしいです。

その他の話題を。

◎ガヤード、ハーディがDL。

ガヤードは4/22日のロイヤルズ戦で、2回4失点でマウンドをおりたあと、肩の炎症でDL入り。ただ、筋肉や靱帯への損傷はなくて、今週末にもキャッチボールを開始する予定だとのこと。今季、4試合でERA7.00と、クオリティー・オファーを受けた投手としてはさみしい出来なのですが、故障がいえたら復活できるでしょうか。してもらわないとこまるけど。

ハーディは、5/1日のホワイトソックス戦で、自打球をあてて、右足を亀裂骨折。4~6週間とも6~8週間ともいわれますが、まあ2か月はかかると思っておいたほうがよさそう。この2年ほど腰や肩の故障に悩まされるなか、今季は好調なスタートを切っていたので残念ですが、しっかり治してほしいです。

◎マチャド、主にショートへ。打撃は依然好調。

ハーディのDLにともなって、マチャドがショートに入り、ライアン・フラーティーがサードへ。ただ、3Aからはショートをまもれるポール・ヤニシュも呼ばれたので、左投手のとき右打ちのヤニシュがショートに入るという布陣も今のところ1度だけ試しています。

昨年、ハーディーが腰痛(だったかな)で開幕に出遅れたとき、やはりマチャドがショートに入りましたが、けっこう内野陣の連携ミスが多くて、やはり司令塔のハーディー(守備位置などを常に指示しているようです)がいないと不安定になってしまうのかなと思ったことがありました。でも今年は、今のところうまくこなせてます。内野守備に関しては不安ありません。

で、マチャド、バッティングは.350/.403/.691でOPSは1.094(リーグ1位)。すばらしい。HRも9本でリーグ2位、二塁打15本(リーグ1位)、打点22です。とにかく体調を維持しながら輝きつづけてほしいです。

◎マーク・トランボ、好調を維持。

マチャドと同様、打線を牽引しているのが、トランボ。FAじゃなくて、マリナーズのサラリーダンプによるトレード(⇔スティーブ・クレベンジャー)だったんですよね。こんなにうまくはまるとは思いませんでした。.325/.378/.598、HR9本、打点24(リーグ4位)。心配された外野守備もどうにかこなし、最後の守りはリカードかライモルドが入るという形が多いです。

◎心配なアダム・ジョーンズ

マチャド、トランボと対照的に元気がないのがアダム・ジョーンズ。現在.200/.269/.274、HR1本(!)という成績。DL入りせずにすませたものの、4月初旬に脇腹を痛めた影響がまだあるかもしれません。出ながら治したい人だし、守備の貢献度は大きいので、これからだんだんあげてきてほしい(切実)。オリオールズが、ヒットは打てているわりに今ひとつ点が入らないのは、ジョーンズの不調も大きいなあと。デイヴィスはもともと打率低いけどHRは出てるし、その前後のマチャド、トランボは好調なので、ジョーンズが上がってくれば鬼に金棒なんですけどね。

ジョーイ・リカード奮闘中

スプリングトレーニングで4割近く打ち、開幕1週間から10日ほど驚異の活躍を続けた、ルール5ルーキーのジョーイ・リカード。プレーもさることながら、このちょっと昔の青春映画スターのようなはにかんだ笑顔がたまりません(笑)。

Only thing more surprising than 1st HR for Joey Rickard was ensuing curtain call. #orioles https://t.co/twYRPRcnGD pic.twitter.com/9J1TQjkXJ8— Eduardo A. Encina (@EddieInTheYard) 2016年4月8日

(4月8日、初ホームランのあと、カーテンコールにこたえたシーン。)

その後さすがに研究され、疲れも出たのか、ノーヒットの日も増えて、ちょいちょいスタメンからはずれる日も出てきましたが、最近またマルチヒットが出るようになって.286/.328/.411。ヒットにならない打席でも、足の速さでゲッツーを防いで、得点の端緒になったりと、記録に出ないプレーも多いです。

守備は、見た目と足の速さから想像されるほどうまくはなくて、ダイブしてとりそこなうところを3、4回見てますが、おそらく経験をつめばもっとよくなるでしょう。きのうはこんなファインプレーも(画像はGif。音出ません。)

In addition to his home run, @JRickard35 made this spectacular play in left. Watch: https://t.co/6bnRNw8qzD pic.twitter.com/5qfdLfM8k7— Baltimore Orioles (@Orioles) 2016年5月8日

ふつうじゃんっていわないで~(笑)。これからどんどんうまくなりますから。

◎コンタクトヒッター、キム・ヒョンス

開幕前、3A行きを承知せずにひと悶着あったキムですが、いざ開幕してみると、右投手のときのスタメンや代打での起用など、かぎられたチャンスで23打数11安打というしっかりとした結果を残しています。四球も3つ。先日のヤンキース戦(ゴーズマンが先発して1-0でサヨナラ勝ちした日)には、サヨナラにつながる内野安打を打って、最後、チームメートと喜び合う姿がありました。見ていると、ほんとにバットに当てるのはうまいです。ただ二塁打が1本だけと、今のところ強い当たりが少ないのも事実。ホームランを打てとは言わないので、せめて外野を抜くような当たりが増えてくると、もう少し出場機会も増えるんじゃないかなあと思います。

◎ティルマン、好調。

前回のエントリでもリンクを張ったのですが、不調だった昨年にくらべると球速がアップしているというクリス・ティルマン。

あいかわらず立ちあがりが悪くて、はらはらするピッチングなのですが(笑)、昨年はそのまま崩れて立てなおせないことが多かったのに対して、今年はしっかりまとめることができています。現時点では4勝1敗、ERA 3.05。ティルマンが好調を維持できるかどうかが、今季のチーム成績に大きくかかわってくるような気がします。がんばってくれ~。

……とまあそんなわけで、たまにしか書かないのでどうしても長くなってしまうわけですが、じつはもうひとつファクターになりそうなのが、雨天順延の多さ。これまでじつに4試合が順延になって、そのうちダブルヘッダーで消化したのが1試合のみ。2試合は、休日をつぶして行われることがすでに決まり、残りの1試合はまだ日程が組まれていません。

先週、ザック・ブリトンが軽度の足首ねんざをして、サポーターをつけながら登板していることもあり、この時期の中止は恵みの雨ともいえるんですが、その分、あとからきつくなるんですよね~。

それやこれやいろいろ含めて、今季は、手応えのなかった昨シーズンとはちがうし、かといって開幕からつっぱしった14年ともちがう。今のところレッドソックスと追いつ追われつやってますが、下のほうにいるチームも、まだまだ巻き返してくるでしょう。なんとかがっつりと混戦に食らいついていってほしいと思っています。

Go, O’s!

【5/12追記】

なんと、「ジョーンズが心配」と書いたとたん、5/10~11日のツインズ戦で10打数6安打、HR2本、5打点の大当たり。このシリーズではしばし冷えていたクリス・デイヴィスにも当たりが戻ってきました。やっぱり中軸が打つと点が入るな~(当たり前)。どうかこの調子で。