Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

上原、今季中の復帰をめざして。

「クローザー、アゲイン」の記事を投稿したのが7月12日。その後15、16、19日と三回登板していずれも無失点。2セーブをあげて、やっぱり上原は最後が似合うよねと思っていたのですが、19日のサンフランシスコジャイアンツ戦で、右の胸筋に軽い肉離れを起こし、無念のDL入りとなってしまいました。

今回の箇所はどこなのか、正確にはわかりませんが、初めての箇所とのこと。

部位はちがいますが、2012年テキサス時代には右の広背筋を痛めています。そのときは、脇の下の奥にあたるところだったと、何かでおっしゃっていたような。このあたりは大小さまざまな筋肉が複雑に重なり合うところなので、筋肉の名称もケガによって影響を受ける動作も、少しずつちがうんでしょうね。

じつは4年前のケガの時もジャイアンツ戦で(ただし場所はSF、今回はボストン)いったい何の因縁なんだという感じですが、そのときは肩周り(というか脇の下ですが)のケガが初めてだったせいもあるのか、イニング4人めのサンドバルに投げて痛みを感じたあと、違和感を感じつつポージー、パガン、ベルトと3人に投げているのですよね(下の関連記事のところに当時のブログをリンクしておきます)。このときは、リハビリ途中で痛みが再発したせいもあって、復帰まで約2か月かかっています。

今回は4-0とリードした9回に登板し、先頭のベルトをフルカウントからの6球めで見逃し三振にとったところで、痛みを訴えて降板。つづくポージーとクロフォードは、代わったトミー・レインが抑えています。(ちなみにデッドライントレードで左腕リリーバーのアバドを獲得したため、トミー・レインは今日DFAされてました。オリオールズ、とらないかな。)

その後MRIを受けたりして2日後の21日にDL入り。翌23日にはPRP(高血小板血漿)注射を受けて、翌週からは下半身のトレーニングを始めているようです。

この間、チームの様相はまたまた変化しています。

まあ、ここ2、3年のボストンの動き(あるいはタイガースでのドンブロウスキーGMの動き)と比較すると、思ったより静かではありましたが、1週間ほど前に先発のポメランツを獲得したのに加えて、31日のトレードデッドラインでは、ツインズで7回、8回をになっていた左腕リリーバー(防御率2.65)フェルナンド・アバドを獲得。これでキンブレルのケガと時を同じくして獲得したジーグラーに加えて、ケガから復帰した田澤、アバドと、うしろはそれなりに強力なメンツがそろいました。

しかも7月9日に半月板を損傷し11日に手術を受けて、一時は「復帰は9月か」と言われていたクローザーのキンブレルが、なんと8月1日のマリナーズ戦で復帰したのです。手術からわずか3週間。早っ!! おまけに三者三振。どんだけ~? キンちゃんは28歳。若いっていいわねええ。

というわけで、上原の心中察するにあまりあるところですが、そんななか7月29日の本人ブログでちらっと「球団からは、あまり戦力として期待してないような記事が…(^_^;)」と触れられていたように、ボストン主要紙に「上原、復帰時期は不明」という記事が出ました。(ソース:ボストングローブ)

これは7月28日(木)の試合前にファレル監督が語った短い談話にもとづく記事。ちょっと引用しますと:

レッドソックスのファレル監督は、チームは、上原(41)が今季中に復帰しない場合にそなえて準備していると述べた。

 『現時点では、上原の復帰がいつになるかは不明だ。クレイグ(キンブレル)はまもなく復帰するし、ふたりがいないあいだに、穴を埋めてくれている選手たちが、貴重な経験を積んでいる。この経験が、最後の60試合で生きてくると思うよ』」

短い談話なので、なんとでも解釈できますが、こういうときは、解釈しないのが吉! たしかに、先ほども記したように、上原が抜けても戦える体制は整っているわけですが、最後まで何が起こるかわからないのが野球です。9月に入ったらもうポストシーズンを見据えた補強はできません。そこでひとりふたり、ケガしたり不調に陥ったりすることだって十分考えられます。

ちょっと気になるのは、上原のことがだいすきなボストングローブのエイブさんがこんなツイートをしていたこと。

Koji Uehara has not spoken to any non-Japanese reporters since his injury, and that was briefly once. Injury sounds more and more ominous.— Pete Abraham (@PeteAbe) 2016年7月29日

(上原は、ケガ以来、日本人以外の記者とまったく話をしていない。日本人記者とのやりとりも、一度だけで、ごく短いものだった。ケガが思った以上に深刻なものなのではないかと思えてくる。)

数日前のツイートなので、その後また状況が変わったかもしれませんが、本人ブログなどを見るかぎり、上原は、復帰を期する気持ちと、勝手に「今季中の復帰はないかも」と報じる周囲へのいらだちとで、「貝モード」に突入してるんじゃないかなあと。

しかし、大統領選を見てもわかるように、アメリカは言葉の国です。

「胸の内に真の闘志を秘めて、何も語らず黙々と自分のするべきことをする」という態度は、かならずしもすんなり理解されません。

それより、多少はったりでも「必ず今季中に復帰するから。そのために今、こつこつとトレーニングを始めています」とひと言いったほうが、はるかに歓迎されます。

復帰への闘志が満々である以上、来期の働き場所を確保するためにも、なんとか今季中に投げられるといいなと。(いきなり現実的になるやつ。)

そのためには、くやしさをぐっと押し殺して「9月にはもどって見せますよ(にっこり)」と、ひとことエイブさんに言ってやってくださいな。

なんてったって、明るさは、上原さんの数ある武器のうちでも、なかなか大きなものなんですから。

今こそ雑草魂、発動のとき。あせらずじっくりケガを治して、また力強く立ちあがる上原さんを待っています。