Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

Brand New!: ショウォルター新監督、初勝利☆

オリオールズ6-エンゼルス3 ○ 

バック・ショウォルター新監督の初日。エンゼルスに6対2で快勝!

きのうの就任会見やそのあとのインタビューをちょっと読んだだけでも、きわめて明晰で知的で、プロフェッショナルな人であることが伝わってくるショウォルター監督。

きょうの試合前のセリフ。

"Nervous? No. Anxiety? It depends how you define it."

(不安? いや、ない。anxiety? それはどう定義するかによるね。)

anxietyという語は「不安」とも「切望」とも訳される。要するに何かをじりじりと思いつめるような心の状態を表していて、針がマイナスに振れれば不安、プラスに振れれば切望になる。そんな翻訳者泣かせの言葉なんだけど、うん、なんかかっこいいぞ、このおっさん。

そしてもうひとつ。

"We're trying to find 25 guys who share a common goal. I'm at a stage of my life where I don't have time for insincerity. If you're not in with the Orioles, then you can ply your trade somewhere else."

(一つの目標をともに目指せる選手を25人見つけるつもりだ。この年になると、やる気のない者に付き合っている暇はない。オリオールズのために戦う気がないなら、どこかにトレードしてもらうよう、画策すればいい。)

うむ。なんかびしーっと来ますね。まさにこれまでのオリオールズに欠けていた資質だ。

試合のほうは見事な逆転勝ちとひとことで言えば終わりなのだが、終盤、2、3度「おっ!?」と思わされる場面があった。

◎2点リードの8回裏ノーアウト2塁から6番ピエが送ってワンナウト3塁に。当たっている7番ウィーターズがタイムリーでふたたび3点差に。

 ――いや、ほかのチームだったら普通ですよね。日本なんかだったら当たり前というか。でもオリオールズではめったに見たことなかったのよ~。斬新!。

◎そのあと打席に立ったジョシュ・ベルが、なんでもかんでも振らずに球をよく見きわめてメジャー初タイムリー。ジョシュ・ベルは、去年、クローザーのシェリルをトレードして手に入れた選手。これまでチャンスで打席に立つと、どんなボール球にも手を出していたのですよ。

◎逃げきり濃厚となった3点差の9回表ツーアウトから監督が登場し、ピッチャーを現クローザーのサイモンに交代。サイモン、ラストバッターを三振に切ってとり試合終了。

前々監督のトレンブリーは、「判で押したような」継投をする人だった。一度決めたら状況で動かしたりしない。右左もきっちり。代行監督のフアン・サミュエルは、トレンブリー監督よりはこまめに継投を考える人だった。もう少しあちこちで経験を積んだら、またどこかでメジャーの監督の声もかかるのでは、という感じ。

そして今日のショウォルター監督の継投は、もちろん、「石橋をたたいて」という意味合いもあるのだろうが、それ以上に「現在のクローザーはサイモンだよ」というメッセージをベンチとブルペンに送ったように見えた。9回ツーアウトまで投げていたのは、今春、FAでクローザーとして入団しながら、不調でその座をうばわれたゴンザレスだったからだ。ゴンザレス自身は、クローザーの地位を奪い返そうと虎視眈々と狙っている(というインタビュー記事が出ていた)わけだが、監督は、「だったらサイモンを越えろ」とハードルを設定したんだろう。

しかもマウンドまで小走り。ベンチに帰るときも小走り。かっこいい。

上原は、今日は出番なし。ブルペンで準備はしていたが、勝ちゲームの8回、9回をまだ担わせてもらえない。でも、今日から20連戦だし、このところ好調(先日の1失点も、残したランナーをあとの投手が帰したもの)なので、早晩フル回転になるだろう。

言葉の使い方が鮮明で、奥深い人には、リーダーの資質を感じる。その意味で、ショウォルター監督はやはりさすがだ。かっこいい、プロフェッショナルなおっさんである。

1試合見ただけで大騒ぎするのもアレだけど、わたしはもうファンになってしまった。

勝ち負けの数がどうなるか、上原にとってやりやすい監督かという問題はまた別として、監督のコメントを読むのが楽しみになったのはうれしいかぎりである。