Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

ウィーターズ、マーケイキスにGG賞。そしてGM探しは継続中……。

10月末にアンディ・マクフェイルGM(というか、正式にはPresident of Baseball Operations)との契約が切れたオリオールズ。マクフェイルが契約を更新しないと発表したのは10月上旬だったので、それ以降じわじわとGM探しを続けていますが、いっこうに決まりません(^_^;;

まずダイヤモンドバックスのジェリー・ディポトと面接するも、こちらは早々にエンジェルスのGMに就任。

そのあとブルージェイズGM補佐、トニー・ラカバがかなりの有力候補に躍り出たものの、先日(11月1日)2度目の面接のあと破談。スカウトや育成部門が弱いとされるオリオールズにとってうってつけの人材と考えられていただけに、この破談はかなりの衝撃をもって受けとめられました。ラカバ氏はジェイズのアンソロポロスGMと「兄弟のような」親密な関係を築いていると語り、ブルージェイズへの愛情ゆえに残留を決めたと語りましたが、オリオールズと二度の面接に臨んだのだから、もちろんそれだけではなかったはず。O'sのアンジェロスオーナーが、自分の腹心を起用するよう求めたことで折り合いがつかなくなった、という観測もありますが、真相は藪の中。その後、やはり複数回面接していたドジャーズGM補佐、デジョン・ワトソンも撤退、ということで、GM選びは振り出しに戻っています。

今日(現地3日午前)、フィリーズGM補佐で以前、オリオールズのフロントにもいたことのあるスコット・プローフロックと面談。このあと元レッドソックスGMのダン・デュケットとも面談する予定。

ラカバ氏に断られた段階で、米スポーツメディアはいっせいにオリオールズの手際の悪さを非難し、こういう運営を続けている以上、オリオールズの進歩はないと断じましたが、しかし諸君、世の中には「拙速」っていう言葉もあるんですよ。アメリカ人はせっかちだからなあ。ラカバ氏が、アンジェロスとうまくやっていけそうにないと気づいたのが、就任する前でよかったじゃないですか。さらに、ショウォルター監督とのケミストリーもある。たしかにFA市場はもうオープンするので、GMがいないのは困りものなんだけど、すばやくGMを決めたからとて、CJウィルソンやフィルダーがO'sに来るかというと……まあ、ないでしょうね(^_^;;

だから、外野がやいのやいのいうのに惑わされず、オリオールズに最適だと思われる人材をしっかり選んでほしいです。……しかし、あらためて思うけど、アンディ・マクフェイルもずいぶんいろいろがまんしてたんだろうなあ……。ほんとうにお疲れさまでしたと言いたいです。わたしはぜんぜんきらいじゃなかったです。

さて、シーズンがいい形で終わったのにGM探しでミソをつけているO'sですが、うれしいニュースも。

マット・ウィーターズとニック・マーケイキスがゴールドグラブ賞を初受賞しました! パチパチパチ。捕手での受賞はチーム初(!)。複数の受賞者が出るのは1998年(ムシーナ、アロマー、パルメイロ)以来。

ウィーターズ(stats)はエラー5、守備率.991、盗塁阻止数34で阻止率37%。同じく有力候補だったタイガースのアヴィラ(阻止数40、32%)を抑えての受賞。もちろん捕手の守備力は盗塁阻止だけではかれるものではなく、キャッチングやホームでのタッチプレーの巧みさなど、数字に表れないものも多々あるので、比較は難しいですが、堂々の受賞といって差し支えないでしょう。ショウォルター監督が事あるごとに「これでマットがゴールドグラブをとれなかったら、みんなどこに目をつけてるんだといいたい」と発言してきたことも大きな後押しになったはず。願わくは、これが何度も続く受賞の最初の一歩になりますように。動画もひとつリンクを貼っておきます。

なお、GG賞発表の前日に、ウィーターズは、セイバーメトリクス界のゴールドグラブであるフィールディング・バイブルの捕手部門にも選ばれています。こちらは両リーグからひとりの受賞で、ヤディア・モリーナを抑えての初受賞なので、価値がありますね。

レフトのニック・マーケイキス(stats)は、イチローの牙城をくずし、トリイ・ハンターに打ち勝っての受賞【追記:レフトじゃなくてライトですよねー。わたし右と左にどうも弱くてとくに英語になると絶対逆にします。ライトのポジションを思いえがきながらレフトと書きました(^_^;; ビョーキ。】だってエラー0ですよ。守備率100%ですよ? 文句あっか……なんだけど、印象で選ばれる賞だけに、もの静かで目立たないマーケイキスはこれまでずっと損をしてきたと思います。今年から外野がポジション毎の投票になったのも大きかったし、ここでもバック親分が「マーケイキスがゴールドグラブを受賞してないなんて犯罪だ」とたびたび後押ししてきたのが大きかったと思うけれど、なにより本人の努力のたまものでしょう。とくに最後の数週間は腰に打撲の痛みをかかえて、ダイビングキャッチを試みるたびに刺すような激痛を感じながらのプレーだったそうな。そう考えるとBOSとの最後のシリーズで見せたこのスーパーキャッチも非常に感慨深いものがあります。日本では「イチローがGGを取れなかった」という報道しかなされませんでしたが、ようやく認められて栄えある賞を受賞したマーケイキスに心からおめでとうを言いたいです。

ゴールドグラブにはもう1人JJハーディーもノミネートされていましたが、こちらはLAAのアイバーにかわされて受賞ならず。アイバーのエラー13に対し、ハーディーはエラー6で、守備率ではナンバー1だったので、受賞してもぜんぜんおかしくなかったのですが、残念。ハーディーのところに打球が飛ぶと、安心して見ていられる、という人なので、来季もケガなくぜひショートのポジションを1年間守り抜いてほしいです。そうすればきっと評価があとからついてくるでしょう。

O'sのほかの動き

◎控え捕手クレイグ・テイタムがウェーバーアストロズに。

◎クリス・ジャクボースカスとジェイク・フォックスをDFAに。どちらもFAを選択。

◎レンジャーズからダレン・オデイをウェーバーで獲得。これで現40人ロスターの中の元レンジャーズの選手はクリス・デイヴィス、ウィリー・エア、ザック・フィリップス、トミー・ハンター、クレイ・ラパダ、ペドロ・ストロープ、ヴラディミール・ゲレロの計8人。5分の1(笑)。ショウォルター監督もそうですしね。気がついたらテキサス・レンジャーズボルチモア支部になってたりして(^_^;;